ビジネスでの共通言語として
習得したいITリテラシー
意外に思われるかもしれませんが、最初に紹介するのは「ニュース時事能力検定」です。というのも、この検定の設問の中には、流通や医療などさまざまな業界でのIT活用の最先端事情について問う問題が含まれているのです。
こうした視点からインフラとしてのITが社会で果たす役割を把握しておくことは、就活の筆記試験はもちろん、面接対策にも大いに役立ちます。この検定にはいくつかの級がありますが、高校の「公民」レベルの知識を問う準2級、もしくは、新聞・テレビの報道内容をある程度深掘りして問う2級の受験がお勧めです。
一方で、今日、ITリテラシーは、英語やファイナンスの知識と同様、ビジネスに不可欠な“共通言語”の一つになりました。就職した後、社内外の人とITに関わる話をする際に最低限必要な知識やスキルは、やはり学生の間に身に付けておきたいものです。
ということで、何から始めようかと思っている人は、情報処理系の国家試験としては最も初歩的なレベルの「ITパスポート試験」を、ぜひ受験していただきたいと思います。最近は受験者が年々増えており、学生が2~3割程度を占めています。
また、昨今、「DX(デジタルトランスフォーメーション)」という言葉をマスメディアやネットでよく目にします。ただし、「IT化」「デジタル化」と混同して用いられていることも多く、その概念は、日本ではまだ完全に浸透しているとは言い切れません。
最初の一歩として、「DXとは何か」を大枠で押さえておきたいという方に勧めたいのが、「銀行業務検定DXサポート」です。DX関連の資格は他にもいくつかありますが、この検定は随時受験可能であり、IT知識分野からの出題がそこまで専門的な内容ではないので、初学者でも勉強しやすいのがお勧めの理由です。
「銀行業務検定」は、金融機関職員の業務に必要な実務知識や技能の習熟度を測る検定試験であり、法務、財務、税務をはじめ多岐にわたる科目ごとに試験が実施されていますが、金融機関の従業員でなくても受験は可能です。
「DXサポート」はその科目の一つで、金融機関の顧客担当者が取引先企業のDXを推進するための知識が問われる検定です。技術面の理解度というよりは、顧客企業のワークフローの把握、組織にDXを浸透させていく方法といった、DXの概要や推進の意義の理解度を評価する内容が出題されます。