もはやビジネスの共通言語!就活を機に取りたい「IT系資格」ITリテラシーはすでに”ビジネスの共通言語”。IT関連の基礎知識が学べる資格・検定を取得して、就活を有利に進めよう! イラスト:ソノダナオミ

ビジネスにおけるIT活用が急速に拡大する中、ITリテラシーは、英語やファイナンスの知識と同様、ビジネスにおける共通言語となった。であればこそ、社会に出る前にある程度の知識やスキルは身に付けておきたい。基礎知識レベルから話題のデータサイエンスまで、文系・理系を問わず、就活を機にチャレンジすべきIT系の資格・検定は何か。870以上の資格を保有する資格コンサルタントの鈴木秀明氏に聞いた。

AIが急速に進化する時代にこそ
必要な「人」の役割

 企業情報の収集やエントリーシートの提出、さらにはオンライン面接と、就職活動もITなしでは成り立たない時代になりました。英オックスフォード大のオズボーン教授が、「10年後は、今ある職種の約半分がAI(人工知能)に置き換わる」と予測したのが2013年。今年は、ちょうどその「10年後」に当たります。

 確かに、自動運転技術の進化や、話題の「ChatGPT」が急速にユーザーを拡大する様子を見ると、オズボーン教授の予測もある意味「なるほど」と思えるかもしれません。でも、実際はどうでしょう。就活生のみなさんが目指す職種は、完全にAIに置き換わる気配がありますか? 
 
 AIやロボティクスに代表される先端テクノロジーは、この10年で大きく進化しました。しかし、企業が数多(あまた)ある中で、「業務の一切をAIにお任せ」という話を聞いたことがあるでしょうか。AIを含め、「ITを業務にどう活用するか」を決めるのは、あくまで人なのです
 
 問題は、多くの企業がIT化に成長のポテンシャルを感じつつも、実務をITにどのように乗せていくべきか、コストと照合しながら、それを適切に判断できる人材が極めて少ない点です。IT業界に就職を希望する人はもちろん、他業界志望の人も、文系・理系を問わず、就活を機にビジネスに関するITの基礎知識を習得していただきたい理由はここにあります。
 
 そこで今回は、就活を有利に進められることはもちろん、社会に出てからも実務に役立つ知識とスキルを身に付けることのできる「IT系の資格・検定」を紹介したいと思います。