「20代の成長環境」が評価を左右
チームワークやコミュニケーションも
ランキング総合評価1位はP&Gジャパン、2位セールスフォース・ジャパン、3位デロイト トーマツコンサルティングという結果になった。30社中7社がランクインしたコンサルティング業界が比率としては一番多いが、多種多様な業界業種の企業が並んでいる。
上位3社のクチコミを見てみよう(原文ママ)。
「ファーストキャリアとしては申し分ないので入社を決めた。普通の会社では一生かけても1人では受け持つことのない責任範囲と仕事量を1年目からできるので、間違いなく成長できる。(営業、男性、P&Gジャパン)」
「会社が掲げている理念に働いている社員が共感し、行動につなげていると感じたため入社。また、ボランティア活動も推奨されており自分がボランティアを続けながら業務も両立したいと考えていたため。(インサイドセールス、女性、セールスフォース・ジャパン)」
「入社を決めた理由は、自身の市場価値をあげるため。また経営者視点をもってさまざまな経営者と議論ができたらと思ったため。(コンサルタント、男性、デロイトトーマツコンサルティング)」
今回のランキングにおける総合評価とは、「待遇面の満足度」「社員の士気」「風通しの良さ」「社員の相互尊重」「20代成長環境」「人材の長期育成」「法令順守意識」「人事評価の適正感」の8項目をベースとしたスコアだ。
ランクインした企業を各評価スコア別で見てみると、上位企業は「社員の士気」「風通しの良さ」「20代成長環境」のスコアが押し並べて高い傾向にあった。成長環境を求めるため、「20代成長環境」のスコアが高い企業ほど総合評価も高まりやすい。
一方で、「社員の士気」「風通しの良さ」という指標の高さでも見られるように、仕事に対するモチベーションや社員の人柄の良さ、チームワークやコミュニケーションの多さといったソフト面も評価されている。
ランクイン企業の新卒社員が投稿した入社理由のクチコミを見てみると、若手のうちから「成長できる」「裁量権が大きい」といった声が業界業種を問わず多く見られた。また、「成長産業に身を置きたい」「課外活動や社会貢献ができる」といった声もセットで見受けられる。
終身雇用制度が崩壊し、新卒社員は「転職前提の就職活動」というキャリア観を持つ。だからこそ、若いうちから成長、スキル獲得ができそうな職場環境が企業選びの必須条件となる。加えて、自分が求めるスキルが得られること、理想の条件であることといった付加価値に魅力を感じられる企業の評価が高まりやすいようだ。
ポストコロナ時代は、多様な働き方がかない、多様な価値観を持つ人々と尊重し合うことが一層求められる。自身の成長はかなえつつ、多種多様な働き方・価値観を尊重し合える職場環境である。それが、就活生や若手社員から選ばれる企業の条件の一つといえそうだ。