次は、具体的なメニューの形で見ていこう。
【朝食1】
トースト(食パン+バター)+ブラックコーヒーというメニューだと、摂取できるたんぱく質は5グラム程度。でも、トーストをピザトースト(食パン+ベーコン+チーズ+ピーマン+トマトケチャップ)に、ブラックコーヒーを牛乳を入れたカフェオレにして、ゆで卵を加えると、たんぱく質摂取量を18グラム程度にまで増やすことができる。
【朝食2】
コンビニおにぎりとカップの味噌汁を買って会社で食べる、という場合も、おにぎりの具や味噌汁の種類を変えるだけで、たんぱく質摂取量を増やすことができる。梅おにぎりとなめこの味噌汁なら5.5グラムほど。これを、鮭のおにぎりと豚汁にして、冷ややっこを加えれば、たんぱく質の量は15グラムほどと、実に3倍。変えない手はない。
【昼食1】
釜揚げうどん+かき揚げというチョイスは、サクサクのかき揚げのコクで満足感は高いものの、糖質と脂質が中心でたんぱく質は6グラム程度。同じうどんでも、牛肉入りの肉うどんを選び、おひたしなどの小鉢で野菜を補うというチョイスに変えると、たんぱく質は16グラムを越えてくる。
【昼食2】
ラーメンを食べる場合も、野菜たっぷりのタンメンより、チャーシュー麺に煮卵と野菜(ほうれん草など)をトッピングするほうがいい。前者が含むたんぱく質は10グラムほどだが、後者は20グラムほどと、一気に倍増。言うまでもなく、チャーシューは脂質も多いので食べすぎに注意して。
【夕食】
会社帰りに町中華で夕食をとるという場合は、餃子定食より八宝菜定食がおすすめ。餃子にわかめスープ、ザーサイ、ごはんといった構成だと、含まれるたんぱく質は10グラムほどだが、餃子を八宝菜に置き換えるだけで、たんぱく質は17グラムほどに増える。食物繊維やビタミンも摂取できるので、栄養バランスも整って一石二鳥だ。
宮地 元彦 (監修), ほりえ さちこ (その他)
定価1,650円
(朝日新聞出版)
もちろん、たんぱく質さえ増やせばいい、ということではない。たんぱく質が体に取り込まれ、筋肉につくり替えられる過程では、ビタミン、ミネラルなどさまざまな栄養素が関わっている。たんぱく質を取ろうとすると不足しがちになる食物繊維にも、腸内の善玉菌の餌になり、腸内環境を整える働きがある。つまり、大切なのはバランス。バランスのいい食事という基本があってこそ、たんぱく質の「ちょい足し」が効果を発揮するのだ。
(構成 生活・文化編集部 森 香織/写真 キッチンミノル)
※AERA dot.より転載