写真:読書する女性写真はイメージです Photo:PIXTA

「ChatGPT」の利用者は2カ月で1億人を突破した、というニュースが話題になりました。最新のテクノロジーを使ったサービスが次々と出てはあっという間に広まっていくスピード感に戸惑う人もいるのではないでしょうか。そのような現代こそ、「リベラルアーツ」的な観点から世の中を見てほしい、と語るのは「探究型学習」の第一人者として今まで2万人を超える生徒を直接指導してきた矢萩邦彦氏。矢萩氏の新著『自分で考える力を鍛える 正解のない教室』(朝日新聞出版)より、一部抜粋・編集してお届けします。

電話を5000万人が使うように
なるまでにかかった時間は?

 突然ですが、1876年にグラハム・ベルが電話の特許を取得してから5000万人が電話を使うようになるまで、どれくらい時間がかかったと思いますか?

 なんと、50年以上かかったといいます。

 では、テレビ・パソコン・携帯電話・インターネット・YouTube・Twitter・LINE・ポケモンGOのユーザーが5000万人を超えるまでそれぞれどれくらいかかったでしょうか?

 正解は、テレビが約22年、パソコンが約14年、携帯電話が約12年、インターネットは約7年、YouTubeは約4年、Twitterは約2年、LINEが約1年、ポケモンGOに至ってはなんと約2週間です。

 ぼくたちは、いままさにこのスピード感の世界で生きています。それを知るだけでももちろん意味があると思いますが、それだけではたりません。

 では、これらのデータを、ぼくたちはどのように解釈したらよいでしょうか?