「確率論」はギャンブル由来

 数学の世界では、確率を扱う分野を「確率論」といいます。確率論とは、まだ起きていない未来の出来事について、それぞれの出来事が起きる確からしさを数学的に計算して、予測するための理論です。

書影:『文系でも思わずハマる 数学沼』鶴崎修功著『文系でも思わずハマる 数学沼』(マガジンハウス)

 確率論の歴史はギャンブルと切っても切れない関係にあります。ギャンブルこそが、確率論の生みの親と言えるのです。確率論を生んだ科学者の一人が、ガリレオ・ガリレイ(1564~1642)です。他にも、「フェルマーの最終定理」で知られるフランスの裁判官で数学者のピエール・ド・フェルマー(1601~1665)も、ギャンブルをめぐるやり取りから確率論の基礎を築いたことが知られています。

 ギャンブルで身を滅ぼす人は後を絶ちませんが、確率論を学ぶことで、ギャンブルは、賭ける側が損をするようにできていることがわかります。また、ギャンブルに限らず、確率の基礎知識を身につけることで、直感や当てずっぽうに頼らず、合理的な判断ができるようになりますよ。