教育費、食費……減らせる支出が見付からない

　Rさん世帯の手取り月収は55万円ほど。そのうち約15万円が教育費です。残る40万円で生活していますが、お子さんは女の子が多いとはいえ食べ盛り。十分に食べさせたいと思うと食費もかかり、月に12万円ほどにもなっています。

　そのほか、住宅ローンが約13万円、長男の授業料支払いの時に利用した教育ローンの返済が約2万円、水道光熱費、日用品代、スマホ代や理美容費、被服費などもろもろ支払うと、収入はきれいになくなるどころか、不足してしまう状況です。

　この不足部分をボーナスで補てんするので、ボーナスも残らず、貯金はほぼありません。夫に何かあれば、すぐに暮らしが傾くような家計状況です。すぐに支出の改善をしていきたいところなのですが、ご本人が「やりくりを見直したい」と言うのとは裏腹に、削減できる支出を見つけられないのです。

　家計を改善するためには何かをあきらめることも必要ですが、教育費は子どもの将来のために削減するのが難しい、食べ盛りだから食費も減らせない、電気、水道も暮らし方を変えられないので減らせない、などと理由をつけ、どれもこれも減らせない理由があるといいます。減らせないのであれば、次に収入を増やすことを考えなくてはいけないのですが、夫にはもっと収入を増やせと言えないし、自分も家のことがあるから仕事を増やせないと、八方ふさがりな状況にしてしまいます。

　あれもダメ、これもダメでは家計の改善は不可能です。ただ、生活防衛資金（おおむね生活費の1年分）もない、将来の教育費や老後資金もない今の状況では、やがて家計が行き詰まる時が来てしまうでしょう。