14日投開票されたタイの下院(定数500)総選挙では、民主化を求める野党の大勝が確実となった。2014年のクーデター以来政権を握ってきた親軍勢力を拒否する民意が示された。進歩的な若年層の間で人気の高い民主派野党「前進党」が151議席を獲得し、第一党の座に浮上。長らく軍の最大のライバルだった野党「タイ貢献党」が141議席で2位となった。ただ、軍は弱体化したとはいえ、引き続き次期政権のトップ選出に発言力を持つ可能性がある。クーデター後に軍が考案し、権力保持のために作り上げたと批判される複雑なシステムの下では、野党が新首相を選出するためには事実上、議席数の約75%を獲得する必要がある。14日の選挙を受け、政治的な不確実性が広がるとともに、連立政権樹立に向けた長期にわたる水面下での交渉が始まる可能性がある。
タイ総選挙、民主派野党の大勝が確実に
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