カリスマキャバクラ店長が「令和の理想の上司像」伝授、キャバ嬢が自ら考え行動する指導法写真提供:小学館クリエイティブ

毎年管理職を悩ませる新入社員の教育。特にコロナ禍を経た今、コミュニケーションは変化しつつあり、今までどおりとはいきません。若者とうまく接するにはどうすればいいのか。多くの若者=キャバ嬢と接してきたカリスマ黒服の指導法に、そのヒントがあるかもしれません。「キャバクラあるある」「黒服の日常」といった投稿動画がTikTokで話題を呼び、約8万人のユーザーに支持されている黒服ムラカミ氏の『黒服の手帳 カリスマキャバクラ店長が教える「部下を動かす」技術』(小学館クリエイティブ)から一部を抜粋・編集し、部下マネジメントのコツを紹介します。

自分で考え行動する人間になってもらうために

「報・連・相」はどの職場でも基本だと思います。部下から「AとBのどちらがよろしいでしょうか?」と相談を受けたとき、あなたはどのように答えるでしょうか。私なら「あなたはどっちがいいと思う?」または「あなたはどうしたい?」と聞き返します。

 全ての相談に手取り足取り答えていると、部下は自発的に考えて行動することができない「指示待ち人間」になってしまうからです。私が心の中で結論を持っていたとしても、いったん本人がどう考えているかを聞きます。大切なのは、本人がその選択に至った理由まで確認することです。しっかりと自分の考えにもとづいて判断したことであれば、私の考えと多少異なっていてもGOサインを出します。

選択の全責任は負わない・負わせない

 事前報告があれば、結果に責任を負うのは管理職である私です。報・連・相をしっかり行うことで本人は全責任を負わずに済み、行動に対して責任感を持ってくれるようにもなるでしょう。私も本人の思考パターンを知り、それを考慮して仕事を任せられます。

 キャバ嬢から頻繁に受ける相談としては、「お客様から『お店には行けないけど、ご飯に行かない?』と誘われており、行くかどうか迷っている」というものがあります。基本的に店の売上にならないので断りますが、「○○ちゃんはどうしたい? その理由は?」と聞くと、あるキャバ嬢からは次のような返事がありました。「行きたい。この間店に来たときに、『今度は団体で来る』と言っていた。そのときに指名を取りたいから」。このように、本人がしっかりした理由を持っているのであれば、「ご飯に行く」という選択を私も後押しします。

 ネット検索が当たり前の若い世代には、質問する力が不足していると感じます。すぐに答えを求めるのではなく、「考える力」と「行動に出る勇気」を養ってほしいと思っています。そのために相談されてもすぐに答えず、本人が自力で答えを出すことの手伝いをするようにしています。