「医師の妻」という肩書はかねて、女性にとって高いステータスだ。一方でこの現代、「医師の夫」になりたい男性もいる。では婚活する女性医師はどこに出没するのか。特集『今なら目指せる! 医学部&医者』(全24回)の#9では、サラリーマン男性が女性医師を射止める秘策を、フリーランス麻酔科医の筒井冨美氏が伝授する。(フリーランス麻酔科医 筒井冨美)
優秀な医師夫と3人の子ども
“超勝ち組”の女医妻が明かした不満
2023年2月、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は13年ぶりの宇宙飛行士選抜試験の結果、4127人の応募者の中から外科医の米田あゆ氏(28歳)と世界銀行専門官の諏訪理氏(46歳)の合格を発表した。
最終選抜試験の様子はNHK(日本放送協会)の「選ばれるのは誰だ?密着!宇宙飛行士選抜試験」というドキュメンタリー番組で放映され、そのインタビュー映像で諏訪夫人は夫を全面的に応援していると語っていた。
番組では、最終選考で落選した脳神経外科の男性医師(34歳)の妻も登場。彼女のインタビューは、諏訪夫人とは対照的だった。「子どもはどうやって育てていくのか、(中略)そして『私のキャリアは?』という思いが拭い切れない」と、夫のチャレンジに全面的には賛成していないことを明かしたのだ。
彼女も夫と同様、医師だった。はたから見れば、この女性は「自らも医師で、ファイナリストに選ばれるような優秀な医師夫を持ち、3人の子どもに恵まれる」という“超勝ち組”。しかしながら、彼女自身は現状に満足してはいないようだった。
諏訪氏が選ばれたのは、パートナーの姿勢も影響していたのかもしれない。筆者は「中年以降の医師同士婚カップルによくあるギャップだなあ」と思った。
「パワーカップル」の代表例である医師同士の結婚は、中年以降の離婚率が高いといわれる。典型的なパターンは「仕事が面白くなって全力投球したい夫」と「医師同士なのだから家事・育児負担を平等に分担したい妻」の関係に亀裂が入るというものだ。
加えて、病院という職場は、医師以外に看護師、薬剤師、秘書などは、圧倒的に女性が多い。「仕事熱心な30代外科医」などは男性として魅力的に映り、「妻の言動に違和感を覚えた男性医師が、献身的に尽くしてくれる若ナース(若い看護師)と不倫」というベタな泥沼に落ちる事例は後を絶たない。
では、「仕事熱心な30代女性医師」のモテ度はどうか。