ChatGPT完全攻略 最新・仕事術革命の決定版#15Photo:Stable Diffusion+Tomonori Yanagiya

異なるアプリケーション同士を接続して自動化できるツールが「Zapier(ザピアー)」だ。ChatGPTを含む5000以上のサービスに対応している。特集『ChatGPT完全攻略 最新・仕事術革命の決定版』の#15では、ZapierとChatGPTをつなぎ、複数のソフトにまたがる業務を自動化する方法を紹介する。(ITライター 柳谷智宣)

「週刊ダイヤモンド」2023年6月10日・6月17日合併号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの。

Zapier+ChatGPTで
面倒なルーティン作業を自動化

 有料のChatGPT Plusのユーザーは、ChatGPTプラグインを利用できる。「Settings」画面で有効にすると「GPT-4」のスイッチに「Plugins」が現れるのだ。

 旅行予約サイト「Expedia」や飲食店予約サイト「OpenTable」、日本のサービスだと「食べログ」などのプラグインが公開されており、それぞれのサービスを利用できるようになる。ChatGPTは新しい情報を持っていないので、弱点を補完しているというわけだ。

 今回は、その中から「Zapier」プラグインの活用法を紹介する。Zapierは5000種類以上のウェブサービスをつなげて、自動処理してくれるサービス。例えば、Gメールに届いたメールの添付ファイルを自動でグーグルドライブに保存できる。ありとあらゆるサービスを組み合わせ、望む作業を自動化できるのだ。

 そして、ここにChatGPTも追加された。ChatGPTができるのは、テキストを受け取り、プロンプトとして入力し、出力を返すだけだ。しかし、他のサービスと組み合わせることで無限の可能性が広がる。

ChatGPTとSlackの連携で
文章チェック役に

 Zapierは無料でも利用できるのだが、三つ以上のステップを利用する場合は有料プランの契約が必要になる。とはいえ、2週間の無料試用ができるので、試すだけならコストはかからない。

 今回は、チャットツール「Slack」と連動させてみよう。例えば、SNSに投稿する文章は誰かにチェックしてもらうと安全だが、この作業をChatGPTに頼んでみよう。

 1ステップ目として、Zapierのウェブサイトにログインしたら「Create Zap」をクリックする。「Zap」とは自動化するワークフローのことだ。まずは、Zapが動作するトリガーを設定する。今回は「Slackの添削チャンネルに投稿があった場合」となる。ZapierがSlackにアクセスすることを許可し、チャンネルをリストから選ぶ。

 テストを行い、問題なくアクセスできたら、2ステップ目にアクションの設定を行う。フォームから「ChatGPT」を検索して開き、「Sign in」をクリック。オープンAIのAPIキーを求められるので入力しよう。イベントとしては「Conversation」しか選べない。

 最後に、3ステップ目として、ChatGPTの返答をSlackに戻す設定を行う。1ステップ目と同じく、Slackを追加し、イベントでメッセージの送信を選択。送信チャンネルを選択し、送信するテキストには「Assistant Response Message」を設定する。

 設定が完了したら、右上のスイッチを「ON」にしてZapを動作させる。この状態で、「Slackの添削チャンネルの文章を添削してください」というプロンプトと共に、SNSに投稿したい文章を送ってみよう。ChatGPTから返事が来るまで数十秒から数分かかることもあるので、しばらく待つ必要がある。今回のテストではうまく添削してくれた。

 ニーズに合わせて、「あなたは編集者です」や「厳しくチェックしてください」「読む人の興味を引くようにリライトしてください」などの文言を追加してもいい。

 なお、プロンプトはテンプレート化しておき、ユーザーがコピー&ペーストして、投稿する文章だけを入力すれば使えるようにしておくと便利だ。

 次ページでは、Zapierを使って、ChatGPTとSlackをどのようにつなぐのか、くわしく設定方法を紹介する。