損害保険業界トップの東京海上日動火災保険。優秀な人材が集っていると誰もが言うが、一方で、若手社員の離職やハレーションを過度に恐れる空気がまん延しているという。特集『選別される 生保・損保・代理店』(全28回)の#24では、そんな社内風土について、広瀬伸一社長はどう考えているのかを聞いた。(聞き手/ダイヤモンド編集部 藤田章夫、片田江康男)
損保業界の圧倒的王者に
まん延する停滞感にどう応える?
損害保険業界で不動のシェアトップを誇る王者、東京海上日動火災保険。ヒト・モノ・カネで業界他社と比較しても頭一つ抜け出ている。
だが、若手社員の流出が続いているなど、社内風土の停滞感を嘆く声が社内や代理店業界内から聞こえてくるのも事実だ。
広瀬伸一社長は、そうした声をどう捉えているのか。次ページで質問をぶつけた。
やりがいを感じて、新しい仕事に
挑戦している若手もたくさんいる
――どの組織でも、既存の業務が変わるときには、組織の中であつれきが生じたり、衝突が起きたりします。DX(デジタルトランスフォーメーション)を進める企業ではよくあることだと思います。東京海上日動では、そうしたことを「ハレーション」という言葉で表現することが多いようで、そのハレーションを恐れ、避ける風土があると聞きます。それは変革のスピードを遅らせることにもつながると思いますが、どうお考えですか。