東京海上グループPhoto by Yasuo Katatae

国内損害保険市場首位の東京海上日動火災保険を傘下に抱える東京海上ホールディングス。東京海上日動とホールディングスの社長がそろって交代してから丸3年がたち、現体制は折り返し地点を過ぎた。22年度、いよいよ次期体制へ向けた社長レースの幕が開く。(ダイヤモンド編集部 片田江康男)

維持されている6年サイクル
25年春に次期体制発足か

 東京海上ホールディングス(HD)の小宮暁社長と、国内損害保険市場首位を走る東京海上日動火災保険の広瀬伸一社長は、グループ主要事業のかじ取りを担う要。小宮・広瀬体制は、発足して丸3年が経過した。

 下図を見てほしい。東京海上グループの社長は6年サイクルが不文律だ。

 隅修三氏は、HDと東京海上日動の両社長を2007年から13年まで6年間務め、永野毅氏(現HD会長)に両社長を引き継いだ。

 永野氏は就任から3年たった16年4月、東京海上日動の社長を北沢利文氏に禅譲。これを機に、HD社長と東京海上日動社長は別となった。

 背景には東京海上グループの積極的な海外展開がある。12年の米デルファイ・ファイナンシャル・グループや15年の米HCCインシュアランス・ホールディングスなど、海外保険会社の買収を進めてきたことで、海外と国内のかじ取りを一人の社長が担うことが難しい状況になったのだ。

 ここで、不文律の6年サイクルが崩れたかと思われたが、東京海上日動の社長を務めた北沢氏は、永野氏と共に19年に社長を退任し、現在の広瀬社長に譲った。そのため、6年サイクルは崩れていないとみるのが自然だ。

 従って次期体制発足は、現体制発足から6年後となる、今から3年後の25年6月とみられている。

 小宮・広瀬体制は、今がちょうど折り返し地点。後半のかじ取りがスタートする22年度、HDと東京海上日動の次期社長レースがいよいよ幕を開けそうだ。

 今のところHD社長レースに3人、東京海上日動社長レースに3人、合計6人の常務執行役員の名前が挙がる。早速、次ページからその候補者を見ていこう。