国内最大の理事長集団RJC48(マンション管理組合理事長勉強会)の代表として150人の理事長をまとめるはるぶー氏。特集『マンション管理 天国と地獄』(全18回)の#14では、マンション管理を取り巻く環境が激変する中で、消費者は「マンションをどうやって管理で選べばいいのか」、そして管理組合は「どうすれば管理で選ばれるマンションになることができるか」について、はるぶー氏が語る。購入前なら管理の悪いマンションをつかまされないため、購入後なら資産価値を下げないためにも知っておくべきだ。(RJC48代表 はるぶー)
改めて考えたい「なぜいま購入者も管理組合も
管理を重視すべきなのか」
そもそも、管理はなぜ大事なのでしょうか。
よくいわれるのが「マンションで管理を重視するのは無駄。すぐに転売するから修繕積立金が値上がりするタイミングで売り抜けるのがトク」という、タワマンなどで転売と住み替えを繰り返していた「空中族」と呼ばれる人の間で支持されていた考え方です。
しかし、最近のマンションの値上がりで住み替えようとするマンションが自分のマンションの売価より高くなっています。積立金が上がる築10年くらいのタイミングで売り抜けられなくなっているのです。
いまやマンション住人の6~7割がそこをついのすみかと考えるようになっています。たとえ自分は管理を気にしなくても、自分が売るときの買い手は、ついのすみかとして管理を重視して購入する人である可能性が高くなります。
いくらひどい管理計画で財務状況が悪いマンションでも、築12年目くらいで行われる初回の大規模修繕ができないマンションはそこまで多くはありません。問題は、築20年以降の第2回目以降の修繕ができるかできないかです。ここまでの期間ずっとサステナブルな管理の設定ができていないと買い手が付かなくなります。
さて、それではこれからマンションを買おうとしている人が、良い管理ができているマンションをどうやって選べばいいのでしょうか。
管理とは一言でいえば「管理組合の良しあし」で決まります。後述しますが管理組合の良しあしは、ひいては管理会社からいかに良い管理サービスを引き出せるかにも直結しています。
ちなみにですが、マンションを買った瞬間から自分は管理を買えるお客さまではなく、自分も管理組合の一員として管理に参加することになる、ということもお忘れなく。お客さまでいたいのであれば「第三者管理方式」(本特集#13参照)のマンションを選びましょう。
それでは次ページから、購入検討者が外部から管理状況の良しあしを見抜く具体的な方法、管理組合が良い管理会社を選ぶ方法など、詳細に見ていきましょう。