セブンの死角 伊藤忠&三菱商事の逆襲#番外編Photo:PIXTA

セブン-イレブン・ジャパン(SEJ)が退職金の規定を見直したことが分かった。SEJ が今春に実施した創業以来、最大となる人事給与制度の改革と連動した措置で、退職金が大幅に減少する社員も出るもようだ。特集『セブンの死角 伊藤忠&三菱商事の逆襲』(全15回)の番外編では、ダイヤモンド編集部が独自に入手した内部資料を基に、退職金額に迫るとともに、社員の不信を招いた規定の見直しプロセスについても明らかにする。(ダイヤモンド編集部 下本菜実)

8割の社員が給与増の新制度
1割は給与と退職金が減額に

 退職金が入れば、無事に住宅ローンを返済できる。60歳までなんとか耐えなければ――。

 転職が一般的になったとはいえ、老後の生活のため同じ職場にとどまる人は多い。長年、会社に尽くしてきたにもかかわらず、退職金の額が突然減らされることになれば、ほとんどの人が「裏切られた」との思いを抱くだろう。

 コンビニエンスストア最大手のセブン-イレブン・ジャパン(SEJ)で、一部の社員がそんな憂き目に遭うことになった。

 SEJは4月、創業以来で最大となる人事給与制度改革に踏み切った(詳しくは本特集#1『【スクープ】セブン営業マネジャーは年収1000万円超、新人事制度で給与アップ&ダウンの実例を初公開!』参照)。これに伴い、退職金制度にも大きな見直しがあったことがダイヤモンド編集部の取材で分かった。

 次ページでは、ダイヤモンド編集部が独自に入手した資料を基に、SEJの退職金減額のからくりを紹介する。また、今回の退職金制度の改定では、見直しのプロセスが社員の不信感を招いた。SEJの”巧妙な手口”についても明らかにする。