セブンの死角 伊藤忠&三菱商事の逆襲#15Photo:Diamond

ローソンでは“新しい接客の形”が試されている。モニターを通して、自宅から勤務する約30人の「アバター店員」が客の疑問に答えるなどしているのだ。一方、ファミリーマートはロボットに飲料の補充作業を任せる。両社は人件費高騰と採用難を技術革新で乗り切ることができるのか。特集『セブンの死角 伊藤忠&三菱商事の逆襲』(全15回)の最終回では、コンビニにおける省人化戦略の最前線をレポートする。(ダイヤモンド編集部 下本菜実)

アバター店員をコンビニ他社との
差別化に役立てるローソンの深謀遠慮とは

 セルフレジの前に設置されたモニターから、明るい声が店内に響く。

「いらっしゃいませ」「セルフレジの操作はお分かりでしょうか?」

 驚いて目を見開く人、笑顔で話し掛ける人──。「アバター店員」に接した人の反応はさまざまだ。

 ローソンは2022年11月末から、店員に扮したキャラクターをモニターに映し出し、遠隔で操作を行いながら接客する「アバター店員」の実験を始めた。

 セルフレジの操作の他、商品棚の近くに置かれたモニターでは新商品の説明などを行う。

 現在は全国3店舗に導入されており、在宅で勤務するスタッフは約30人。25年までにスタッフ数は1000人規模になる計画だ。

 次ページでは、アバター店員がどのように自室から店舗の状況を把握し、接客しているのかや、ファミリーマートのバックヤードに現れた「AIロボット」の実力を詳報する。