セブンの死角 伊藤忠&三菱商事の逆襲#11写真提供:ファミリーマート

ファミリーマートは親会社の伊藤忠商事とタッグを組み、コンビニ店内のディスプレーや、決済アプリに広告を配信し、対象商品の売り上げが1割ほど増えるという成果を出した。特集『セブンの死角 伊藤忠&三菱商事の逆襲』(全15回)の#11では、5年後に100億円の利益を目指す広告事業の真価と課題に迫る。(ダイヤモンド編集部 千本木啓文)

コンビニのみならず
ドンキやスーパーに広告配信目指す

 小売りの店舗でのサイネージ広告は20年以上前から多数の事業者が挑戦しているが、失敗の連続だった。この“不毛地帯”にあえて挑み、「5年後に利益100億円」という具体的な目標を掲げているのがファミリーマートだ。

 サイネージ広告はファミマの細見研介社長肝いりの事業だ。親会社の伊藤忠商事にいた頃から、米ウォルマートの広告事業を視察するなど準備を進めて、ファミマ社長に就任すると一気に事業化した。

 広告を配信するディスプレーを設置している店舗は4000店だが、年内にはこれを1万店に拡大する。累計投資額が450億円に上る(NTTドコモやサイバーエージェントが出資するファミマ子会社分を含む)ことからも、その本気度がうかがえる。

 次ページでは、ファミマが広告事業の収益性に自信を見せる根拠や、他社との提携拡大などの発展性、さらには克服すべき課題を明らかにする。