東北屈指のスキーリゾートである岩手県の安比高原で、ラオックスの羅怡文会長が絡む開発が進む。このプロジェクトはホテルの開業だけにとどまらず、新たな市場を取り込むもので、意外にも中国本土における教育規制が追い風になる。特集『ホテルの新・覇者』(全18回)の#5では、開発の全貌と追い風の正体に迫る。(ダイヤモンド編集部 土本匡孝)
安比高原のスキーリゾートで
三つのホテルが立て続けに開業
岩手県八幡平市の安比高原では昨年11月から今年2月にかけて、「ANAインターコンチネンタル安比高原リゾート」のほか「ANAクラウンプラザリゾート安比高原」「ANAホリデイ・インリゾート安比高原」と、三つのラグジュアリーホテルが立て続けに開業(リブランドを含む)した。
いずれも盛岡市の非上場企業である岩手ホテルアンドリゾートが運営するもので、安比高原はまさに開発ラッシュとなっている。
それらの動きに対し、ある事情通は「中国の教育規制も追い風に、羅さんうまくやっているな」と感嘆の声を漏らす。「羅さん」とはラオックスの羅怡文会長のことである。
なぜスキーリゾートで中国の教育規制が追い風になるのか。羅氏は安比高原で何を仕掛けているのか。