新型コロナウイルスの感染拡大の影響で訪日外国人観光客が急減し、不動産業界でもホテル市場は苦境に立つ。そんな中で2020年末、住宅販売大手のオープンハウスがホテルを建設することが明らかとなった。その立地は、とりわけホテルの需給が緩くなっている京都である。なぜ、市場環境が最悪のタイミングでこんな決断を下したのか。宿泊施設への最新投資事情を追った。(ダイヤモンド編集部 大根田康介)
大打撃を受けたホテル市場で
オープンハウスが勝負を仕掛けた
新型コロナウイルスの感染拡大が再び深刻化した2020年末、住宅販売大手のオープンハウスが京都にホテルを建設することが明らかとなった。コロナ禍でホテル市場は大打撃を受けているのにだ。
しかも、京都は需給が緩くなっているエリアの代表格である。13年のアベノミクス以降に訪日外国人観光客(インバウンド)バブルで宿泊客が増え、これまで宿泊施設を手掛けたことがないような企業の新規参入も相次いでいたが、コロナ禍で様相が一変。ホテル用地として仕入れていた土地が更地のまま売りに出されるなど、多くのホテル業者の開発計画が軒並み狂った。
市場環境が最悪のタイミングにもかかわらず、オープンハウスは勝負を仕掛けたのである。