日経平均がバブル後最高値を更新した。だが、「将来のお金の問題が不安だ」「投資が大切だと漠然とわかっているが、なかなか行動に踏み切れない」「貯金や投資を始めてはみたものの、自分の方法が正しいかどうか確信が持てない」──そんな悩みを抱えていないだろうか? そんな人に朗報がある。
全世界350万部突破『サイコロジー・オブ・マネー』著者モーガン・ハウセルが「ニックのように、データの真の意味を理解できるデータサイエンティストでありながら、説得力のあるストーリーを語れる人はまずいない。絶対読むべき一冊だ」。全世界1000万部突破『Atomic Habits』著者ジェームズ・クリアーが「お金に関する価値ある知恵と実践的なアドバイスが満載」と強力ダブル推薦する注目書がついに日本上陸。
全米ベストセラー『JUST KEEP BUYING 自動的に富が増え続ける「お金」と「時間」の法則』だ。
全米屈指のデータサイエンティストによる、お金を貯め、富を築くための証明済の方法を初公開。本稿では、本書から一部を抜粋・編集しながらたった1つのインフレ対抗法について見ていこう。

「老後に不幸にならない人」に共通する、たった1つのインフレ対抗法Photo: Adobe Stock

 私は本書でこう話した。

 現代には、投資すべき確固たる理由がある。

 私たちが今すぐ投資をすべき3つの理由がある。

1 老後に備えるため
2 インフレ
から資産を守るため
3 「人的資本」を「金融資本
」に置き換えるため

 今回は、「2」の続きを話そう。

インフレに対抗するには?

 インフレに対抗する効果的な方法がある――そう、投資

 投資資産は時間が経過しても価値を保ち、増やすことができるため、インフレの影響を打ち消せるのだ。

 たとえば、1926年1月から2020年12月にかけて1ドルを保有するとしよう。

 インフレに対抗するには、この1ドルを15ドルに増やさなければならない。

 米国債や米国株にこの1ドルを投資した場合、インフレの影響を打ち消せるだろうか?

 簡単にできる。

 1926年に1ドルを長期の米国債に投資した場合、2020年末には200ドルになっている(インフレ率の13倍)。

 同じく、1ドルを米国株全体に投資していたら、2020年末にはなんと1万937ドル(インフレ率の729倍)になっている!

 このように、投資にはインフレの影響に負けずに資産を維持し、成長させる力がある。これは、特に退職者にとっては重要だ。

 なぜなら、現役世代とは異なりインフレの恩恵を受けて高い賃金を得ることができず、インフレのために上昇していく物価に合わせてお金を使っていかざるをえないからだ。

リタイアが近い人が知っておくべきこと

 労働収入のない退職者にとって、インフレに対抗する唯一の武器は投資資産を増やすこと。リタイアが近い人は、特に留意すべきだ。

 現金保有にもそれなりのメリットはあるが(緊急時に対処しやすい、短期的にリスクを抑えられる等)、長期的にはインフレの影響をもろに被ってしまう。

 インフレの影響を最小限に抑えたい場合は、生活防衛資金以外のお金はすぐにでも投資に回すべきだ。

 それでもまだ投資をする気にならない人は、時間との戦いについてじっくり考えてみよう。

(本稿は『JUST KEEP BUYING 自動的に富が増え続ける「お金」と「時間」の法則』の一部を抜粋・編集したものです)