新しい発明品から最大の恩恵を受けるのは、それを作る側なのか、利用する側なのか。人工知能(AI)やグリーンテクノロジー、半導体生産に資金をつぎ込む投資家たちにも各国政府にも、その答えは重要だ。「製造」へのこだわりに警鐘を鳴らすエコノミストらは、デジタルツールがその数十年前から開発されていたにもかかわらず、1990年代に企業がそれを導入するまで米国の生産性にほとんど効果を及ぼさなかったと指摘。一方、広い意味でのテクノロジー生産は、世界で最も成功する企業や国の多くにおいて屋台骨となっているのも事実だ。新興企業オープンAIが昨年、AIチャットボット(自動会話プログラム)の「チャットGPT」を発売して以降、生成AIをめぐる熱狂がソフトウエア大手各社や半導体大手エヌビディアの株価を押し上げ、AI関連の新興企業に資金が流入している。より最近の動きとして、株式投資家は非IT系企業がこの技術のいち早い利用による先行者利益を得ることにも賭け始めた。