体育館屋根崩落事故の犠牲者を悼み、34中学校の外で献花する女性体育館屋根崩落事故の犠牲者を悼み、34中学校の外で献花する女性 Photo:VCG/gettyimages

7月23日、普段と何も変わらない日曜日の午後。ある衝撃的なニュースが中国全土に走った。黒竜江省チチハルにある中学校の体育館の天井が突然崩落し、中にいた生徒ら11人が生き埋めとなり死亡したというのだ。このニュースは瞬時に拡散され、中国のほとんどのSNSプラットフォームでアクセスランキングの1位となった。夏休みの真っただ中に、一体何が起こったのか。(日中福祉プランニング代表 王 青)

中学校の体育館の天井が
突然崩れ落ちた

 事故が起きたのは、チチハル市にある第34中学校。女子バレーボール部員の学生17人とコーチ2人が体育館で練習している最中に悲劇が起こった。報道によると、体育館は約1200平方メートルで、天井はコンクリート製。体育館の隣の校舎の建設工事が行われており、一部の建材が体育館の屋上に置かれていた。その建材はパーライト(中国名:珍珠岩)で、軽くて吸水性が高いという特性がある。雨を吸水して重くなり、天井がその重さに耐えられず落ちたという。

 亡くなったのは、10人の生徒と1人のコーチで、全員女性だった。生徒の平均年齢は14歳。この学校のバレーボールチームは最近、黒竜江省の選手権で2位を獲得したばかりで、もうすぐ行われる全国大会に参加する予定だった。そのために練習に励んでいたという。

 11人の尊い命が一瞬で奪われたこの事故は、中国国民の心を痛め、ネットには悲しみの声や追悼の声があふれた。

「こんなニュースは見るに堪えない……。自分も父親なので、もし自分の娘の身に同じことが起きたらどうなるか、想像もしたくない」
「涙が止まらない。なぜ、こんな悲惨なことが起きたのか!子どもはみんな親の宝物。この子たちの親はこれからどう生きていくのか……。あまりにかわいそうだ」
「彼女たちはほとんどが一人っ子。1人の子どもには、両親と祖父母合計6人の大人がいる。11の家庭が崩壊したに等しい」

 さらに、ある一本の動画がSNSで急速に拡散されると、深い悲しみに続き、人々の怒りが爆発した。