ハワイの山火事は、保険業界を揺るがす悲劇的な状況を浮き彫りにしている。これまで「二次的」と見なされてきた災害による損害が増加しているのだ。いわゆる二次災害はハリケーンや地震などの一次災害よりも頻度は高いが、一般的に個々の二次災害の深刻度は低い。だが、近年起きている山火事や暴風雨、河川の氾濫、地滑りといった災害は、保険の損害を並外れて大きなものにしている。再保険大手のスイス・リーが先週発表した報告書によると、米国で広範囲に発生した暴風雨(雷や稲妻、大雨やひょう、強風、急激な気温変化などを特徴とする激しい対流性暴風雨と呼ばれるもの)は、今年1~6月の世界の自然災害保険損害額の7割近くを占めている。山火事も近年、保険業界にとって深刻な災害となっている。米保険情報協会によると、2017年以降、カリフォルニア州で保険損害が約100億ドル(約1兆4500億円)に上る山火事が2件発生している。