7月18日、中堅デベロッパーのゼファー(東証1部上場)が民事再生手続開始の申立を東京地裁に申請した。負債総額は949億円。今年5月に子会社の近藤産業が破産したことにより、140億円以上の負担が生じ、ゼファー自身の財務体質が大幅に悪化。さらには保有する不動産の担保価値も大幅に下落し、資金繰りに行き詰まったという。
全体の70%が
不動産関連の倒産
今回のゼファーだけではない。今年に入ってから、上場企業の倒産が相次いでいる。中でもゼネコン・デベロッパーといった不動産関連企業の倒産が圧倒的に多い。下記の図を見てほしい。
◎2006~2008年の上場企業倒産件数の比較 |
2006年には全体の倒産件数は2件(うち、不動産関連は0件)、2007年には3倍の6件(うち、不動産関連は1件)だった。しかし2008年に入ってからは大きく状況が変わる。まだ半年ちょっとしか経っていないにもかかわらず、すでに10件(うち、不動産関連6件)になっており、昨年の3倍のペースで増えているのだ。しかも、残る4件のうちの1件であるアミューズメント施設運営のアリサカも、ある面では不動産デペロッパーであるとの見方もできるため、それを加えると10件中7件、つまり全体の70%が不動産関連企業の倒産という異常事態となるのである。
サブプライム問題が引き金に。
「利回り」保証に不安も
この状況は17年前の1991年に起こった「バブル崩壊」後の状況と酷似している。まさに今回の事態は、“第2のバブル”ともいえる「不動産バブル」が崩壊した結果であるといえるだろう。
前回の第1のバブルは、銀行や系列ノンバンクによる過剰融資が原因で地価が高騰し、それに業を煮やした当時の大蔵省が「土地関連融資の抑制(総量規制)」を行なったことにより崩壊したといわれている。それに対し今回の第2のバブルは、ファンドによる過剰投資が原因で投資目的物件や都市型マンションブームが起こり、その後アメリカで端を発したサブプライム問題が飛び火したことにより崩壊したといえる。