植田総裁「インタビュー発言」真の狙い、“日銀版口先介入”は繰り返しできないゲーム9月22日金曜日、記者会見する日本銀行の植田和男総裁。日本銀行が超低金利の金融政策を据え置いたことで、円相場が下落し、株価も下げ幅を縮小した Photo:Bloomberg/gettyimages

9月日銀決定会合「緩和維持」
今後の政策運営のポイント

 日本銀行は9月21・22日の金融政策決定会合で大方の予想通り現行の金融緩和策を据え置いた。

 読売新聞9月9日付の植田和男日銀総裁のインタビュー記事で、総裁がマイナス金利解除に言及したことや賃金の上昇が十分だと思える情報やデータが年末までにそろう可能性もゼロではないとしたことが、市場を動揺させた。

 総裁発言を受けて政策変更の前倒しを予想する向きもある。しかし今回の決定会合では、政策は据え置かれた。

 改めてインタビューでの「植田発言」を主たる材料にして、(1)政策運営姿勢の変化を示唆したものか、(2)マイナス付利の解除の時期は近いのか、という点を中心に、今後の金融政策に対する含意を探ってみた。

 総裁インタビューは金融政策見通しを変更するほどの「材料」は提供しておらず、発言の主な狙いは、円安の急伸に一定のブレーキをかけることに狙いがあったようだ。