トランプ政権2年目も突出する“強権手法”、「力による国際秩序」形成と経済介入の強化米国司法省は、パウエル氏に対する刑事捜査を開始すると発表した。パウエル氏はその後、「公職には、脅威に直面しても断固として立ち向かうことが必要な場合もある」と述べた Photo:Chip Somodevilla/gettyimages

「べネズエラ軍事侵攻」に続き
「グリーンランド領有」で反発の欧州に追加関税

 トランプ第2期政権が、1月20日で2年目に入った。

 昨年中、相互関税を含む通商政策を中心に世界中を大いに混乱させたが、2年目もその強引な手法は止まりそうにない。

 登場時には、グローバリゼーションと国家による経済関与の縮小に特徴づけられる「新自由主義」の終焉(しゅうえん)がメインテーマといえたが、2026年は「その後の世界」の在り方に関するトランプ大統領のイメージが、さらに一歩具体化しつつある。対外的には大国による「力による国際秩序」形成と、国内的には「政府による経済介入の強化」だ。

 新年早々に起きた米軍によるベネズエラ侵攻とマドゥロ大統領夫妻の拘束は、まさに「力による国際秩序」への移行を印象付けるものだった。トランプ大統領は、侵攻の成功を受けて、「秩序だった権力移譲が可能と判断できる時期まで、米国がベネズエラを運営する」とまで発言した。

 麻薬・移民流入の阻止、という目的が語られているが、これは国内有権者向けのアピールであるとともに、軍の動員を国際法違反が疑われる「独立国家への軍事介入」ではなく米国内で麻薬組織の長として起訴されている同大統領夫妻に対する「国内法の執行支援」という建て付けにするための方便でもあるだろう。

 実際の狙いは、ベネズエラの国有化によって失われた原油利権の回復、中国の中南米戦略の足場に対する打撃、イランやロシアとの軍事的連携の切断などが指摘されているが、全部ひっくるめて西半球で最も反米的な国の一つを自らの影響下に引き戻す動きとみるのが妥当に思われる。

 懸念されるのは、トランプ大統領はその後も、グリーンランドの領有方針を改めて語り、1月17日には、領有に反発する欧州8カ国に対して上乗せ関税を課することを表明するなど、米国がロシアや中国を意識しながら、大国による国際秩序形成に踏み出そうとしているように見えることだ。

 これらは国際情勢の不安定化を加速させるだろう。そしてトランプ政権の経済介入の強化は米国経済自体にもひずみをもたらす可能性がある。グローバル経済はそれに備える必要がある。日本も、むろん例外ではない。