今年前半に盛り上がったChatGPTは、早くもオワコン?導入企業で社員の利用率は1割程度にとどまっているようだ。しかし、だからこそ使いこなせればメリットは大きい。特集『コピーですぐに使える!ChatGPT100選 職種別・業種別・部署別』の番外編として、企業のデータ活用支援を手掛ける上場IT企業の社長が、ChatGPTを使いこなす1割になるためのこつを伝授する。(インティメート・マージャー代表取締役社長 簗島亮次)
ChatGPTはオワコン?
導入企業で利用率1割
生成AI(人工知能)の代表格、ChatGPTは今年前半、われわれの仕事を大きく変える新たな技術として注目を浴び、世界的に盛り上がりを見せた。
しかし、足元では「どう使っていいのか分からない」「思ったほど役に立たない」といった、諦めの声も現場から漏れるようになった。いっときの熱狂は薄れ、「オワコン(終わったコンテンツ)」という風潮すら漂ってきている。
実際ChatGPTの月間ビジター数は、8月まで3カ月連続で減少。サイト滞在の平均時間も低下傾向にある。
春先以降ChatGPTを導入する動きが日本企業で相次いだが、ヒアリングしてみると継続的に利用している社員の割合は1割程度にとどまるケースが多い。ChatGPTの本場である米国でも、2割程度という指摘もある。実は、仕事で使いこなせている人はそれほど多くないのだ。
確かにChatGPTを思い通りに使うのはこつがいる。ハードルは、ある程度の高さがある。しかし、次ページ以降で詳しく解説するが、ChatGPTを使いこなすためのトレーニングは、そこまで難しいものではない。
そもそも生成AIは労働生産性を上げてくれる手段である。今後も世界的に深刻化する人手不足の解決につながる重要ツールで、ニーズの拡大は確実視されている。だからこそ、米マイクロソフトや米グーグルのようなビッグテックが、その将来を確信し、こぞって巨費を投じているのだ。
利便性は日進月歩で進んでおり、ChatGPTがパソコンやエクセル、スマートフォンのように「使えて当たり前」になっていく可能性は高い。
使いこなせない社員が9割の今こそ、使いこなす1割になれれば、そのアドバンテージは絶大なものになる。筆者は企業のデータ活用支援などを手掛ける上場IT企業のインティメート・マージャーの社長として、社内でChatGPTの実践的な活用体制を構築し成果をあげているほか、社外のChatGPT活用も支援している。今回は実例も交えながら、次ページでその1割になるための要諦を確認していこう。