2024年「中学受験」直前! わが子が成長する中高一貫校&塾#1Photo:PIXTA

直近の2023年入試で過去最高の受験者数と受験率を更新した首都圏の中学受験。空前の“中受”ブームは、迫る24年入試も続くのか?24年の注目校は?特集『わが子が成長する 中高一貫校&塾』(全34回)の#1では、“本戦”まで残り100日となった首都圏の中学受験の最前線を中受のプロたちに聞いた。(ダイヤモンド編集部 宮原啓彰)

「週刊ダイヤモンド」2023年10月28日号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの。

首都圏の2024年入試は高止まりか
都心に住む海外志向の親がけん引役に

「2月の勝者」を巡る小学6年生の長い戦いも残すところ100日余り。

 近年、首都圏の中学受験はまさにブームといえる過熱ぶりとなっている。直近の2023年入試の受験者数は、私立中学と国立中学を合わせて5万2600人(首都圏模試センター)と、過去最多だった前年を上回り、受験率も17.86%と前年から0.56ポイント上昇した。来る24年入試はどうなるのか。

「少子化の影響で、今年の1都3県の小学6年生の人口は前年から5000人以上の減少、率にして2%下がっている。一方で中学受験率は23年よりも高まるとみられ、さらに志望校の二極化も進行しており厳しい入試は継続している」とみるのは、四谷大塚の岩崎隆義情報本部本部長だ。

 また首都圏模試センターの北一成教育研究所長も、「受験者数は23年入試を境に下がるとみていたが、5月実施の『東京私立中学合同相談会』の参加者は逆に増加した。模試の動向からも、24年入試の受験者数は23年とほぼ同じか、微減で、高止まりするとみている」と言う。つまり、24年入試は、さらなる過熱はあっても冷えることはないと考えた方がよい。

 そのけん引役は東京都、中でも都心部だ。森上教育研究所の森上展安代表は「特に湾岸エリアに子どもが増えたことが、東京の中学受験熱の要因。加えて近年は都心回帰で優秀層の家庭が都心に集まっている。一方、コロナ禍で東京の優秀層が神奈川県の上位校を回避する動きがあったが、24年入試は一服するだろう」と分析する。

 またSAPIX(サピックス)の広野雅明教育事業本部本部長は、「大学入試を考えた場合、高校入試を挟まない中高一貫校の方が、英語4技能を伸ばすにせよ、海外留学をするにせよ、非常に有利だと考える家庭が、特に都心部で増えていることが昨今の受験者数の増加の一因」と言う。

 次ページは、人気急上昇校や入試が大きく変わる学校など具体的な24年入試の動向に加え、本番まで残り3カ月の親の心がまえを中学受験のプロたちに聞く。

 また、模試動向から見る24年入試の志願者数増加トップ20校ランキングも併せて掲載するので、受験生を持つ親はぜひ参考にしてほしい。