2024年入試対応!わが子が伸びる中高一貫校&塾&小学校#15

わが子にピッタリな塾はどこなのか。街にあふれる塾を前に頭を抱える親は多い。そこで、特集『わが子が伸びる中高一貫校&塾&小学校』(全29回)の#15では、首都圏の主要27塾について最新2023年入試結果を含めた16年間の合格実績を大分析。子どもの学力が伸びる塾の真の「合格力」を明らかにする。(ダイヤモンド編集部 宮原啓彰)

最新入試結果を含めた16年間の合格実績は?
各塾の広告からは見えない実力が分かる

 椅子取り競争が激しさを増す中学受験。その争奪戦を勝ち抜くための絶対条件が塾選びだ。とはいえ、わが子にピッタリな塾にたどり着くのは至難の業だ。

 そこで中学受験塾の情報を収集、分析する中学受験カウンセラー、石田達人氏の協力を得て、首都圏主要塾の直近2023年入試の合格者データを大分析し、塾の「合格力」ランキングを作成した。

 気を付けてほしいのは、ランキング上位から順に塾を選ぶべし、ということではない点。より大切なのは、子どもの現在の学力や性格、志望校次第で、最適な塾が違うという視点だ。加えて、塾が公表する合格実績データには注意すべきカラクリがある。公益社団法人全国学習塾協会は、合格実績として公表できる生徒の範囲の自主基準を定めているが、順守義務はなく、合格者数のカウントに際して一種の水増しを行う塾もある。

 ここでも塾が公表する合格者データを基にした分析を行うが、その理由は残念ながら各塾の公表実績以外にその力量を測るすべがないからだ。それでも各塾の合格実績の長期トレンドや特徴を並べて比較することで、得意とする学力層や個別の学校など、さまざまな実力に迫ることができる。

 また四谷大塚については、本稿執筆時点(3月21日)で合格者の全数が公表前のため、判明分のみを掲載しているが、最終的に合格者総数を公表する四谷大塚と違って、中には偏差値の下位校を中心に合格者数をあえて公表しない塾も一部存在する。裏を返せば、そうした塾は生徒や保護者に対する姿勢がうかがえよう。

 次ページでは、首都圏の主要塾の合格校の平均偏差値を求めた「主要塾の『合格力』ランキング」をはじめ、主要27塾がどのレベルの中高一貫校にどれだけの合格者を出しているかを算出した「学校偏差値ランク別合格者ウェート」、「合格力と塾の規模の相関図」「有名中高一貫校における主要塾の合格者数」、そして、ある少数精鋭塾の塾名付き「難関校合格率」など、いずれも塾選びにきっと役立つ七つの図表を一挙掲載する。

 塾最新情報と、これらの図版にわが子の学力や志望校を当てはめて考えていけば、子どもと塾の致命的なミスマッチは起きにくくなるはずだ(関西・東海編は、4月4日(火)配信の本特集#3『中学受験塾「合格力」ランキング【2024入試版・関西&東海22塾】希学園が復活の2位、1位は?』参照)。

 では、関西でも合格力ランキングで2位となった大躍進の希学園を超えて、首都圏の合格力1位になった塾はどこなのか、その名前をさっそく見てみよう。