人手不足とインフレによる資材高にあえぐ建設業界。その影響度を調べるため、建設業界のデータベース事業を展開する日本マルチメディア・イクイップメントの協力で、日本建設業連合会に加盟するゼネコン133社について、6指標で独自分析した経営耐久度ランキングを作成した。特集『ゼネコン複合危機 全国2565社ランキング』の#6では、日建連加盟ゼネコン133社の経営耐久度ランキングを公開する。ワースト14位に大手の清水建設が入った。(ダイヤモンド編集部 堀内 亮)
2024年問題を前に
ゼネコンが負ったダメージは?
建設業界の目下の悩みは、折からの資材高と慢性的な人手不足である。
新型コロナウイルスの感染拡大に端を発した原材料価格の上昇は、ロシアがウクライナへ侵攻する「ウクライナ危機」の勃発で拍車が掛かった。
これが、建設業界を直撃した。とりわけ、この時期に低採算の工事を抱えていた建設会社は甚大なダメージを被ることになった。
いよいよ、働き方改革に伴う残業時間の上限規制が2024年4月から建設業にも適用される。人手不足の深刻化と労務費の高騰は必至。「2024年問題」が、満身創痍の状態にある建設会社に追い打ちをかけるのである。
では、これまでに各社が負ったダメージは、どの程度なのか。資材高と人手不足の影響度を探るため、ダイヤモンド編集部は、国や自治体に提出する経営事項審査結果を公表している建設業者延べ25万社の情報を基に、建設業界のデータベース事業を展開している日本マルチメディア・イクイップメント(JME)の協力を得た。
JME提供のデータを基に、「売上高経常利益率」「負債回転期間」「自己資本比率」「技術職員数」「総合評点P」の指標を採用して全国2565社の経営耐久度ランキングを作成した。
次ページでは、日建連加盟133社の経営耐久度ワーストランキングをお届けする。ワースト1位になったのは、もともと鉄道関連工事に強いゼネコンだった。