どの世代が損をしたか?氷河期部長&課長の憂鬱 出世・給料・役職定年#10Photo by Yasuo Katatae

上場企業で年収1位のM&Aキャピタルパートナーズは、社員の平均年齢が32歳と若い会社だ。ポスト氷河期世代の“勝ち組”といえるが、そう甘くない現実もある。ダイヤモンド編集部では、一般に公開されていない同社の「賞与・報酬細則」を独自に入手。どのような案件の仲介を成功させれば、社員は報酬を幾らもらえるのか。特集『どの世代が損をしたか?氷河期部長&課長の憂鬱 出世・給料・役職定年』の#10で、高年収の裏事情を詳細に解き明かしていく。(ダイヤモンド編集部副編集長 重石岳史)

ポスト氷河期世代の勝ち組?
年収1位企業の知られざる現実

「銀行や証券など大手企業からの転職組が多い。年功序列の色濃い金融機関を見限り、腕に自信のある20~30代の即戦力が中心だ」。そう語るのは、M&A仲介大手のM&Aキャピタルパートナーズ(MACP)の元社員だ。

 MACPと聞いて誰もが思い浮かべるのは、その高年収ぶりだろう。今年の有価証券報告書によれば、平均年収は約3161万円。2位のキーエンスに1000万円近い大差をつけての堂々の上場企業トップだ(下表参照)。

 社員の平均年齢は32歳と、年収上位1000社では10番目の若さだ。元社員が語るように、銀行や証券会社などから20~30代で転職し、さらなる高年収を手に入れた彼らは、ポスト氷河期世代の勝ち組といえる。

 だが、その一方で「数字の取れない者は人格がない」「野村證券出身も青ざめる超営業会社」という声も社内から聞こえてくる。実態はどうなのか。

 ダイヤモンド編集部が入手したMACPの「賞与・報酬細則」を基に意外な高年収の秘密を、金額入りの詳細な配分の構図とともに解き明かす。