どの世代が損をしたか?氷河期部長&課長の憂鬱 出世・給料・役職定年#32Photo:PIXTA

2023年3月期は、燃料費高騰で明暗を分けたガス会社と電力会社。多くの電力会社が赤字決算に陥ったが、24年3月期はV字回復の見通しだ。今回は東京電力ホールディングス、関西電力、東京ガスの3社を取り上げる。各社の中で、それぞれ年齢別に年収を比べた場合、団塊・バブル期・就職氷河期・ゆとり世代のうち、どの世代が恵まれていたか?特集『どの世代が損をしたか?氷河期部長&課長の憂鬱 出世・給料・役職定年』の#32では、20年間を10年刻みにして、5世代の年収と主要64社内のランクを初試算した。福島第一原子力発電所の事故以降、厳しい経営環境に立たされた電力会社は、シニア世代が勝ち組になったかを検証。一方、東京ガスで勝ち組になったのは、どの世代?このほか専門家による5年後の平均年収予想も掲載する。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)

決算で明暗が分かれた電力会社とガス会社
東電、関電、東ガス、それぞれの世代別年収は?

 2023年3月期の決算は、燃料費高騰で電力会社とガス会社の明暗が分かれた。電気の調達コストが増え、電気を売れば売るほど赤字が増える「逆ざや」の形となった電力会社の純損益は、大手10社のうち中部電力と関西電力を除く8社が赤字に陥った。

 一方、東京ガスの純利益は2809億円と過去最高を更新した。毎月のガス料金はガスの輸入価格が自動的に反映される仕組み。輸入価格の高騰で料金を値上げした一方、調達価格は長期契約のため変動が少なく、この価格差が莫大な利益を生んだ。

 ただ、大手電力の23年4~9月期の業績は一転、V字回復している。燃料高の一服と値上げによる収益の押し上げが効いて、沖縄電力を除く9社の経常利益が過去最高となった。

 今回は東京電力ホールディングス(HD)、関西電力、東京ガスを取り上げる。3社の中でそれぞれ、年齢別に年収を比べた場合、団塊・バブル期・就職氷河期・ゆとり世代のうち、どの世代が恵まれていたか?ダイヤモンド編集部は、20年間を10年刻みにして、5世代の年収と主要64社内のランクの推移を初試算した。

 2000年代から現在までの、20代、30代、40代、50代といった現役世代から、60代と70代のOB世代までが対象。「それぞれの世代はこの20年で給料を幾らもらっていたのか」「その会社の中ではどの世代が得をしたのか」「日本企業の中での序列は高かったのか」が、残酷なまでに浮き上がる47項目のデータとなっている。

 福島第一原子力発電所の事故以降、厳しい経営環境に立たされた電力会社は、シニア世代が勝ち組になったかを検証。一方、東京ガスで勝ち組になったのは、どの世代?また、専門家による5年後の予測年収の試算も併せて掲載した。次ページで確認しよう。