米大統領補佐官も務めたヘンリー・キッシンジャー元米国務長官が、29日に死去した。100歳だった。同氏は米国史上最も影響力があり、かつ評価の分かれる外交官の1人として知られていた。 ドイツ生まれのキッシンジャー氏は、米史上で唯一国務長官と国家安全保障担当の大統領補佐官を兼任したことで知られ、ニクソン政権やフォード政権では絶大な権力を持っていた。これがベトナム戦争の終結や、冷戦の真っただ中で旧ソ連に対する米国の外交政策を形成する支えにもなった。 キッシンジャー氏は外交面での成果を挙げたことで、核兵器を使った最終戦争を恐れ、戦争で疲弊していた米国民の英雄となった。