2022年に注目すべき投資先

AnyMind Group:前職での出資先になりますが、「次世代のビジネスインフラ」の創造を掲げ創業4年で売上100億円を突破。スピード感や規模感、世界13マーケット・17拠点で事業展開している点など、2022年の代表的なスタートアップの1社になると思っています。

五常・アンド・カンパニー:DIMENSIONファンドの最初の出資先で、マイクロファイナンスのビジネスをインドやミャンマーなどで手掛けてます。「民間版の世界銀行」としてより便利で安価な金融アクセスを世界中の途上国の方々に提供していきたいという、慎社長の強い理念に共鳴して集まった経営チーム・メンバーの世界での取り組みに注目しています。

サスメド:DIMENSIONファンドでの出資先で、「デジタル創薬」という新しいビジネスモデルで12月24日に東証マザーズへの上場しました。新たなサービスがどのように顧客支持を広げていくか、社会的な意義の観点でも楽しみな1社です。

F Ventures 代表パートナー 両角将太氏

2021年のスタートアップシーン・投資環境について

2021年が終わりに差し掛かってきたタイミングで急激に日本でも盛り上がってきた、Web3の領域に注目しています。F Venturesとしては、2018年から取り組んできた領域でしたが、幻滅期が訪れ、私自身も少し離れていました。しかし、ここにきて、世界に認められるブロックチェーン企業が現れたり、日本でもWeb3専門のDiscordコミュニティが生まれたりと、再び盛り上がりを見せています。

2021年は立て続けに日本および海外のWeb3スタートアップにエクイティで投資しており、現在Web3企業には6社投資実行、ほかにも多数投資検討しています。(従来通りのスタートアップにももちろん投資しています。)規制の関係で日本ではあまり盛り上がりの実感がありませんが、海外ではすでにユニコーン級の会社が続々と生まれており、トップティアVCの投資も活発で、日本語で追っていては追いきれない速度で膨張している市場です。このコロナ禍であっても海外に足を踏み込んで一次情報をとりにいっている起業家はかなり恵まれた環境にあると思っています。

とはいえ、資本政策も従来通りのやり方では通用しない場面もあり、スタートアップがトークンを発行する場合、国内の規制の関係で一般的なVCはトークンには投資できず、投資スキームもEXIT手段もこれまでと変わっていく可能性があると感じています。Web2.0までの常識でこの領域を捉えようとしても頭で理解できないことがたくさんあり、VC側もスピード感をもって学んでいかねばならないと危機感を覚えるほどです。