2022年に注目すべき投資先

Cryptoeconomics Lab:従来は、L2関連のソリューションを開発。現在は、DeFiプロダクトを開発、ローンチ準備中。まだ公開前で具体的には言えませんが、2022年期待のスタートアップということで掲載しておきます。

ロジクラ:メインサービスであるECの在庫管理SaaSの「ロジクラ」。EC事業者の煩雑な在庫管理の課題を解決し、解約率も低く、着実に成長しています。新たに開始したOMOストアの取組みにおいても、ECと店舗のシームレスな連携を実現しており、新たな打ち手を展開しています。また、佐川グループのSGLとも協業し、展開している24時間稼働のロボット物流センターXTORMでは翌日配送を実現しており、個人でEC事業を営むユーザにとっても重宝されています。誰でもECショップをオンラインで展開できる時代に非常にマッチしており、今後のユーザー数拡大を大変期待しています。

パンフォーユー:冷凍パンのサブスクサービスですが、熱狂的なユーザーが集まってきており、パンの生産が追いつかないほど急成長しています。マスメディアや雑誌などでよく取り上げられ、一般消費者に人気を博しているサービスです。ギフティとの連携によるeギフトや、全国パン共通券の発表も行い、ギフトECの事業を拡大しています。(個人的にもよくギフトで使わせていただいています)

XTech Ventures 代表パートナー 手嶋浩己

2021年のスタートアップシーン・投資環境について

井上尚弥の世界戦や、延期になりましたが村田諒太とゲンナジー・ゴロフキンの試合も、地上波テレビではなくオンライン配信限定となるなど、メディアのキングが明確に入れ替わるエポックメイキングな1年と記憶することになると思います。ABEMAのPPV売り上げの推移も注目してみていました。

個人的には圧倒的にポッドキャストを聴く時間が増え、VCとしても番組を継続的に配信しています。移動中にひたすらその場の環境を無視してポッドキャストを聴いていると、起きている時間のシェアがデジタル環境に確実に侵食されていることを感じます。ちまたではメタバース、メタバースと言われますが、それを「ライフタイムにおけるデジタル居住時間の増大」という現象と捉えると、私ももうメタバース的な何かに没入しているのかもしれない、と考えたりします。ある日突然メタバースに人がいる、のではなく、徐々にメタバース的な何かに入り込んでいる、気づいたら包囲されている──そんな感じで捉えています。

スタートアップでは競争のレベルが上がったと思います。企業内の情報システム分野のサービスでは、マネーフォワードとラクスルがほぼ同時にサービスをリリースしました。おそらくこの分野でほぼ同時期にスタートした、もしくはしようとしていた未上場スタートアップも複数いたはずです。