メタバースやブロックチェーン、トークンの分野では数年前から粘り強くやっていた人や長く本質を見続けてきた人が、地道に何らかの事業アセットを積み上げる1年になるのではないでしょうか。今のバズワード的なムーブメントは2022年後半には幻滅期に入り、表面的に興味持った人は再度離れていくと思います。また、メタバースとブロックチェーンを長期構想として繋げて語るのは良いですが、短期的にはまだつなげて語るのは時期尚早な印象です。

2022年に注目すべき投資先

ベースフード:「テックじゃないよね」「VCが投資するモデルなの?」など懐疑的な投資家が多い中、苦しい資金調達をくぐり抜けてきた同社の事業は完全に華開きました。今後はコンビニなどのオフラインとオンラインをまたいでナショナルブランドのようなたたずまいで日本人の主食をイノベーションしていくことになるでしょう。麺やパンといった主食の分野を主軸に、大塚製薬のような佇まいを持つ日本を代表するフードサイエンスカンパニーに成長すると思います。2016年にDeNAを退職し、自宅で粉の配合をして自分で麺を作り始めたという橋本さん(代表取締役の橋本舜氏)のストーリーが今後も楽しみです。

東京:社長の羅さん(代表取締役CEOの羅悠鴻氏)が型破りの起業家です。学生起業し、参入がそもそも難しい(から競合がほぼいない)エレベーター広告事業を完全に立ち上げ切っています。オフラインデジタルメディアへの出稿意欲も旺盛で、上りのエスカーターに乗っているようです。その過程で日本一の影響力を持つ三菱地所と資本業務提携、JV設立なども実現し、日本でも稀有な大企業とシード期スタートアップ協業の成功例を生み出しつつあります。キャッシュフロー創出で一定の基盤を作った同社の2022年は世の中を驚くような型にはまらない展開を志向していくことでしょう。

24Karat:デジタルマーケティング分野で新規事業立ち上げや収益化の実績を持つチームがブロックチェーンやトークンを使ったブランドのポイントプログラムやCRMの分野の変革に挑戦しています。登記からご一緒し、創業投資した後、日本でもこの分野が盛り上がり始めていますが、当初から持っている自分たちのビジョン実現にこのムーブメントをうまく活用して波乗りしていってほしいです。大企業への営業力も強く、サッポロビール様等と取り組み開始しています。