できるだけ良質な試行錯誤を短期間かつステルスで行うこと、イケると思ったらリスクテイクしてスピード感持って成長させていくこと、そのためのリソース調達能力など。有望なことがわかりやすい領域ほど、以前にも増してのんびりジワジワやっていく余地が減ってきているように思えました。そのために必要な情報(note記事など)やツール、環境もどんどん拡充してきていると思います。逆説的にはリーンスタートアップの終焉というか、ゼロからスタートアップを起業するには信用が一定ある人が大きい構想を持って長期に実現させていく時代に入ったとも言えると思います。

個人的にはリクルートホールディングスが10兆円企業、メルカリが1兆円企業、フィンテックの分野でもアンバンドリングが進み日本も世界も銀行や証券といった規制産業でも新しい会社の台頭が激しいことなどをみて、スタートアップが生まれ続けてそこから大きい価値を持つ会社が継続的に出ていくことの重要性を今さらですが、改めて実感する1年となりました。

2022年の投資環境の変化や注目領域・プロダクトについて

社会的にソフトウェア活用のリテラシーが上がってきている中で、引き続きたくさんのバーティカルSaaSが生み出され隙間を埋めるように社会の非効率性を改善していくと思います。また、隙間隙間の課題を解決していく中で、企業や事業同士がいろんなかたちで結合しながらより便利になっていくようなことも促進されていくと思います。

セーフィーの上場でその事業モデルが注目され、刺激されたこともあり、「ハードウェアとサブスクリプションの融合モデル」での起業も増えてくると思います。ソフトウェア単体の場合と比べて経営の難易度は上がりますが、確立した時のMOAT(堀、転じて事業の強みや競合優位性)は強固に築ける事例が出てくるでしょう。

PayPayとLINE Payがどのように統合し、Zホールディングスとしてどのようにフィンテック事業を再編していくのかに注目しています。個人的にも近所でPayPayのみキャッシュレス決済OKの店が増え、その利便性を享受しています。PayPayへのペイロールも解禁されればそれをホイッスルとして日本のフィンテック環境もまた一段とデジタル化が進むと思います。その再編の核となるのが消費者と大きい継続コンタクトが取れるモバイルアプリになってくると思います。私自身それに遅ればせながら深く気づいたのは今年読んだNewsPicksでのメルペイの方のインタビューを読んだ時でした。