この記事を書いたのは、自分のキャリアについて人と話すとき、他の選択肢を検討する時間をとらずに、これらの道のうちの1つだけに焦点を当てる人が非常に多いことに驚くからです(Y Combinatorのマネージングパートナーであり、起業経験のある私自身もそうです)。
私は、この3つの道に価値判断はしません。サンフランシスコのベイエリアで過ごした10年間で、この3つの道を歩んで成功し、充実した人生を送っている友人たちを見てきたのです。
起業家
長所
- 自分が情熱を傾けられることに打ち込める
- 新しいものを世に送り出せる
- 責任感が強いと、生産性が非常に高くなる
- 一緒に働く仲間を選べる
- 非常に速いペースで新しいスキルを身につけられる
短所
- 非常にストレスが多い(たとえ成功したとしても)
- 個人的な収益を最大化できない可能性が高い
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始めるのに、金銭的、スキル的、地理的なハードルが高い
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大規模な成功には10年以上のコミットメントが必要
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コミットメントのレベルにより、人間関係が大きく損なわれる
起業家を目指す人のための戦略
起業家を目指す上での最初の目標は、起業家になるための前提条件を積み重ねることです。
- MVP(Minimum Viable Product:ユーザーに必要最小限の価値を提供できるプロダクト)を作るために必要な技術力を持つチームメイト候補を見つける
- 資金計画を把握する。十分な貯蓄があるか、シード投資を行える友人や家族がいるか、自律的に動けるか、支出を抑えて事業アイデアに取り組むのに6〜12カ月間の十分な貯蓄ができるか、など
- あなたとあなたのチームメイト候補が、情熱を持って解決できる課題を見つける
- その課題の解決方法についてアイデアを持っていることは、必ずしも重要ではありません
起業家を目指す人の多くは、これらの戦略のうち1つ以上が欠落しています。よくある間違いは、根本的な問題を解決するのではなく、欠けている要素を回避することです。もしもMVPを構築するための技術的なスキルを持っていないのであれば、外部の開発会社と一緒に仕事をするのはやめましょう。そのような技術を持っている人たちと友達になり、説得してあなたのチームに連れてきてください。
起業を阻むハードルは高いです。私の最善のアドバイスは、お金が貯まるまで、適切なチームメイト候補と友達になれるまで、あるいは自分が情熱を傾けられる課題を発見できるまで、テクノロジー業界のハブになる地域(できればベイエリア)に移動して、テック企業で働くことです。インパクトのある大企業を作るには、少なくとも10年はかかると言われています。成功の可能性を最大限に高めるために、起業の時期を遅らせることは問題ありません。
ここに挙げた前提条件で“経験”を求めていないことに注目してください。経験は重要でないわけではありませんが、起業を考えている人たちの多くは、自身の経験を過大評価しています。ほとんどの場合、どれほどの知識を持っていたとしても、課題や顧客、最適な解決策について知るべきことのほとんどは、会社を立ち上げた後に学ぶことになるからです。
役員
長所
- 安定した収入・福利厚生など
- 高い名声(大成功した起業家だけがより高い名声を得られる)
- 社会に大きなインパクトを与える可能性が高い(ほとんどのスタートアップが失敗することを考えると)
-
チーム作りや資金調達が必要ない
短所
- 結果を出すことが必ずしも出世につながるとは限らない。社内政治も同じくらい重要である
- 組織内部の人間によって、成功が妨げられたり、阻止されたりすることもある
- 長期にわたって成長し、成功を収める企業を選ぶ能力が必要
- 大きな責任を負うには、長い時間がかかる
役員を目指す人のための戦略
役員を目指すのであれば、急成長している会社を選ぶことが重要です。早期に成長する会社を選ぶことができれば、会社の成長とともに責任ある仕事を任されるようになります。これには、あなたがフレンドリーで生産的なチームプレーヤーであることが前提となります。例えば、Facebookで最初の100人の従業員のうちの1人になり、10年間所属していれば、役員になるチャンスはたくさんあるはずです。しかし、長年にわたって急成長を続ける企業を選ぶことは簡単ではありません。