C向けには5月よりモバイルアプリ「Pint」の提供を始めた(現時点ではAndroid版のみ)。同アプリはユーザーがECサイトなどの買い物データを提供することで、ポイント還元を始めとしたメリットを得られるのが特徴。ユーザーの購買データに基づいた商品のレコメンドや、企業から直接キャンペーンやオファーが届く仕組みなども実装する計画だ。

5月にローンチした「Pint」。消費者が自らデータを提供することで、ポイント還元などのメリットを得られる
5月にローンチした「Pint」

Pintを通じて集まった消費者の購買行動データは企業にとって大きな資産になりうる。このアプリによってユーザーから“事前承諾”を得るかたちで取得した多様なデータを、企業の課題解決につなげていくのがマインディアのビジネスだ。

今後はPintの機能開発やデータ分析基盤の強化などを予定しているほか、ユーザーを獲得するためのマーケティングへの投資も進めていく方針。そのための資金として、マインディアではKUSABIなど複数のVCおよび大手事業会社を引受先とした第三者割当増資により約5億円を調達した。

Facebook在職時に感じた「データ活用のニーズと可能性」

鈴木氏はP&Gやグリーなどを経てFacebookに入社した。当時は現在ほどデータの活用が進んでおらず、広告商品も少なかったが、その中で大企業向けの広告メニューの立ち上げなどに携わってきた。

特に2014年から2016年ごろにかけてはFacebook内のデータやサードパーティのデータを用いながら、クライアントと一緒にマーケティングにおける課題解決に取り組んだ。こうした業務を通じて企業側のデータ活用へのニーズや、データの可能性そのものを感じたことが企業にもつながったという。

「個人から許諾を得た上で直接データを収集し、それを有効活用することによって個人とデータの関係性や個人と企業の関係性、個人と広告の関係性などをアップデートする」という構想は、2018年に起業した時から思い描いていたものだ。

それでは具体的にどのような事業からスタートするのが良いか。当時鈴木氏が特に企業側の強いニーズを感じていたのが「消費者の生の声や実態の動画データ」「ECを中心とした購買データ」「データドリブンなプロモーション」の3点だ。

そこでマインディアとしては企業が消費者の実態をつかむための「消費者ライブ動画サービス(Mineds for Insight Data)」から始めた。

マインディアが開発する消費者ライブ動画システムのイメージ
マインディアが開発する消費者ライブ動画システムのイメージ

“定性調査”に特化した動画システムで大手企業の利用促進

このサービスは、従来企業が主にオフラインで実施していた定性調査やUI/UXテストなどをオンライン上で実施できるようにしたものだ。個人向けに企業の定性調査に協力することで報酬を得られるアプリを開発し、登録ユーザーの中から各クライアントが求める層を対象にさまざまな定性調査をオンラインで進められる基盤を作った。