「カード決済システムについても同様です。自分たちは約1年半の期間をかけてカード発行のシステムやユーザーの残高を管理する勘定系のシステム、プロセシングの仕組みなどを自社で構築してきました。だからこそユーザーのデータを集めたり、決済周りの仕組みを自前で実行できるんです」(堀井氏)

もっとも、ユーザー体験の面で多少の違いは生じたとしても「基本的な部分については模倣できる」というのが堀井氏の考えだ。

「この領域は完全なWinner takes all(勝者総取り)の市場にはならないとしても、それに近い市場にはなりうると考えています。複数のサービスが出てきたとしても、ほとんどのユーザーは家族や親子で家計を管理するサービスは1つしか使わないはずです。そうなるといかに先に面を抑えた上で、継続して使ってもらえるかが重要になる。今回20億円を調達したのは、資金面でも相手に負けないような体制を作ることが大きな目的でした」(堀井氏)

スマートバンクでは今回調達した資金を活用しながら​​ペアカードを軸に事業を拡大し、2023年末までに100万ダウンロードの突破を目指す方針。「共同でキャッシュレスの家計管理をする新市場」の開拓に向けて取り組んでいくという。

スマートバンク代表取締役の堀井翔太氏
スマートバンク代表取締役の堀井翔太氏