「日本では新しいチャレンジをする人を“変わり者”のように捉える雰囲気がまだまだあります。起業もすごくハードルの高いものだと思われている。しかし、起業して頑張っているのは遠い世界の人ではなく、意外と等身大の20代の女の子だったりするんです」

「これまでも、スーパー経営者が登場する企業をテーマにしたドラマや、働き方をテーマにしたドラマはありました。その中で『勇気を出して一歩を踏み出したら私でも世の中を変えられるかもしれない』と視聴者が思ってくれるようなドラマを製作できないか。そう思い、スタートアップをテーマにすることを決めました」

『ユニコーンに乗って』は貧しい家庭で育ったひとりの女性が起業し、そのスタートアップにITのことをまったく知らない中年サラリーマンの小鳥智志(西島秀俊)が入社してくる、という要素がある。そのためSNSでは韓国ドラマ『スタートアップ』や映画『マイ・インターン』と比較する声もある。松本氏「いろんな作品を見ましたし、その2つの作品も見ました」とした上で、何より「リアルな声」を大事にしたと語る。

成川佐奈がドリームポニーのメンバーにプレゼンをする ©TBSスパークル/TBS 撮影:加藤春日
成川佐奈がドリームポニーのメンバーにプレゼンをする 

例えば、このドラマでは、スタートアップ業界に関わる人たちには馴染みのある言葉や光景が数多く登場する。タイトルでも使われているユニコーン企業に始まり、CEOやCTOといった役職、ファイナンスやプログラミングに関する用語。資金調達に駆け回る、事業展開のロードマップについて話し合う、人材採用に苦戦する、ピッチコンテストに挑戦するといったシーンなどだ。

また、EdTechのスタートアップがドラマの舞台ということで、AI学習「atama+(アタマプラス)」を開発・提供するスタートアップのatama plusが取材に協力した。ドリームポニーのオフィスも、atama plusの実際のオフィス環境を参考にしており、取材の際には西島さんも自ら希望して同行したそうだ。