NOT A HOTELへ通じる「AOSHIMA BEACH VILLAGE」入口
NOT A HOTELへ通じる「AOSHIMA BEACH VILLAGE」入口
「鬼の洗濯岩」で知られる青島にもほど近い
「鬼の洗濯岩」で知られる青島にもほど近い

NOT A HOTEL AOSHIMAでは宮崎市が所有する土地を期限付きで借り上げ、土地の権利形態は準共有持分となっている。NOT A HOTELでクローズドに利用する物件部分以外の土地は宮崎市との協定により、レストランやバーベキュー場などがパブリックスペースとして公開されており、プールやサウナなどの建設も進んでいた。

NOT A HOTEL宿泊者のダイニングも兼ねる併設のカフェ「LDK」は、観光客や地元客でもにぎわっていた
NOT A HOTEL宿泊者のダイニングも兼ねる併設のカフェ「LDK」は、観光客や地元客でもにぎわっていた
LDKの海側に面したテラスからの景色は南国情緒が漂う
LDKの海側に面したテラスからの景色は南国情緒が漂う

完成したNOT A HOTEL AOSHIMAの各室は、今月いっぱいは関係者などによる試泊を行い、11月よりオーナーが利用。2023年以降にホテルとしての貸し出しを開始する予定だという。今回は1棟独立で屋内面積200平方メートル、テラスが560平方メートルと最大規模の物件「MASTERPIECE」と、2階に位置する総面積450平方メートル超の「CHILL」の内部を見た。

販売時のCGパースそのままのヴィラタイプ「MASTERPIECE」。庭では最後の仕上げが行われていた
販売時のCGパースそのままのヴィラタイプ「MASTERPIECE」。庭では最後の仕上げが行われていた
各戸の入り口にはサービス開始後にタブレットを格納する予定のケースが備え付けられている
各戸の入り口にはサービス開始後にタブレットを格納する予定のケースが備え付けられている
リビングルームからプールの先の海を望む
リビングルームからプールの先の海を望む
テラスからはビーチへ出ることもできる
テラスからはビーチへ出ることもできる
「パースでは伝わりにくかった、この天井の高さを伝えたい」と濱渦氏
「パースでは伝わりにくかった、この天井の高さを伝えたい」と濱渦氏
ベッドルームから窓を開ければすぐプールに飛び込めるというリゾート感。MASTERPIECEのプールは97.5平方メートルを占める
ベッドルームから窓を開ければすぐプールに飛び込めるというリゾート感。MASTERPIECEのプールは97.5平方メートルを占める
半露天の檜風呂。NOT A HOTEL AOSHIMAでは2室を除いた各戸にサウナも設置されている
半露天の檜風呂。NOT A HOTEL AOSHIMAでは2室を除いた各戸にサウナも設置されている
宮崎県・青島にNOT A HOTELの第1弾拠点が完成、「ホテルになる別荘」がNFTやスマート化で目指す未来とは
 
こちらは2階にしつらえられた部屋「CHILL」。1階に位置するMASTERPIECEと比べ、水平線が開けて見晴らしがよい
こちらは2階にしつらえられた部屋「CHILL」。1階に位置するMASTERPIECEと比べ、水平線が開けて見晴らしがよい
CHILLのリビングからの眺め。天井の高さはMASTERPIECEほどではないが、開放感あふれる造りだ
CHILLのリビングからの眺め。天井の高さはMASTERPIECEほどではないが、開放感あふれる造りだ
テラスにはファイアプレースがしつらえてある
テラスにはファイアプレースがしつらえてある

NOT A HOTELは「スイッチのないホテル」だと濱渦氏はいう。照明や空調だけでなく、カーテンの開閉や風呂の温度調節に至るまで、すべてタブレットにインストールされた自社開発のアプリで操作する。また、冷蔵庫を自社製作するなど、徹底して空間から「日常感」を排除するような工夫が施されている。

「一般の家庭用冷蔵庫があると気分が上がらないから」と自社で作った冷蔵庫はワインセラーのような見た目
「一般の家庭用冷蔵庫があると気分が上がらないから」と自社で作った冷蔵庫はワインセラーのような見た目
ちょっとしたスナックやアメニティ、替えの衣類など、一般のホテルなら売店で販売するようなグッズは各戸のミニショップで、タブレットを使って入手できる。「人件費の節減にもなる」と濱渦氏
ちょっとしたスナックやアメニティ、替えの衣類など、一般のホテルなら売店で販売するようなグッズは各戸のミニショップで、タブレットを使って入手できる。「人件費の節減にもなる」と濱渦氏
宮崎県・青島にNOT A HOTELの第1弾拠点が完成、「ホテルになる別荘」がNFTやスマート化で目指す未来とは
 
どの部屋にもスイッチがなく、代わりにタブレットで室温や照明、カーテンの開閉などをまとめて操作できる。いずれも自社開発アプリ
どの部屋にもスイッチがなく、代わりにタブレットで室温や照明、カーテンの開閉などをまとめて操作できる。いずれも自社開発アプリ
テレビもタブレットで操作。リモコンは部屋のどこにも見当たらない
テレビもタブレットで操作。リモコンは部屋のどこにも見当たらない
風呂の湯温やサウナの温度もタブレットで設定
風呂の湯温やサウナの温度もタブレットで設定
部屋のカギはスマートフォンで管理。チェックインもスタッフ不要で完了する
部屋のカギはスマートフォンで管理。チェックインもスタッフ不要で完了する

「ホテルとして貸せる物件」と「毎年同じ日に旅ができるNFT」との相性の良さ

実際の物件を見ると、パースで想像していた以上のラグジュアリー感に圧倒される。ただ、やはり「シェア購入でも1単位2000万円以上」という価格は、なかなか手が出せるものではない。それを「自分でも現実に使えるかもしれない」と思わせてくれた仕組みが、NFTを使った利用権の分割販売だ。

NOT A HOTELでは、物件の所有権(NOT A HOTEL AOSHIMAは厳密には不動産信託受益権の準共有持分)だけでなく、NFT化したホテルの利用権(メンバーシップ)を販売している。2022年8月に販売したメンバーシップは、2023年から2070年までの47年間、NOT A HOTELに年に1泊できるというもの。メンバーシップの保有者には年間のある1日が割り当てられ、毎年決まった日にいずれかの拠点の部屋がランダムに割り振られて利用できるようになる。

2070年までのメンバーシップ、および1泊分の権利はそれぞれ、NFTとして「OpenSea」などのNFTのマーケットプレイスで売買することもできる。

1単位150万円のNFTは販売開始からわずか20分で3億円分が売れ、その後は毎日約1000万円分ずつほど追加販売を行い、現在累計約5億円分が売れているという。10月には、メンバーシップ保有者に割り当てる日付を公開する、第1回目の「リビール」イベントが開催された。