レベル別コースの画面イメージ
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読み書きできても「話せない」を解決

Speakeasy LabsはConnor Zwick氏とAndrew Hsu氏が2016年に創業した米国発のスタートアップだ。Zwick氏は生粋の起業家でそれ以前にも複数のサービスを開発。ハーバード大学を中退後、最初に立ち上げた教育アプリ「Flashcards+」を売却した経験を持つ。

共同創業者のAndrew Hsu氏は神経科学などを学んだ後、スタンフォード大学の博士課程に進学。最終的には同大学を中退してスタートアップの道を選んでいる。2人はともに著名投資家のピーター・ティール氏が手がける若者向けの起業家育成プログラム「Thiel Fellowship(ティールフェローシップ)」の出身だ。

2人はスピークを開発する前に1年間かけて機械学習の研究に取り組み、その過程で独自の音声認識アルゴリズムを作った。最初から事業アイデアありきで始まったわけではなく、技術ありきでスタートした会社であり、複数のプロダクトを試す中で現在のスピークにたどり着いている。

Speakeasy Labsの共同創業者。同社は2016年の設立
Speakeasy Labsの共同創業者。同社は2016年の設立


ヤン氏はスピークが韓国で多くのユーザーを獲得できた大きな要因として「1つのマーケットに特化したプロダクトを作り込んだこと」を挙げる。

「最初は機械学習技術を軸にしたプロダクトをグローバルで展開できないか考えていたものの、(同一のプロダクトを)異なる市場にフィットさせるのは難しく、なかなかうまく行かなかった背景があります。スピークが韓国で成長できたのは、韓国のカスタマーが求めているものを理解し、プロダクトやコンテンツを作り込んでいけたことが大きい。成長の要因はプロダクトマーケットフィットを実現できたことにあると思っています」(ヤン氏)

もともと韓国では英語学習の熱が高く、国内の財閥系を中心に英語が必須となる企業も少なくない。小学1年生から学校で英語の授業がスタートし、親も英語教育に熱心だ。

既存の英会話教室や英語学習サービスは存在するものの、ヒアリングをすると解決されていない課題が見えてきたという。

「英語の読み書きやリスニングはできても、話すことができない。たくさんのユーザーにインタビューをしてきましたが、それが1番のペインポイントです。この課題を解決するのに適したソリューションがなかったからこそ、スピークはユーザーを獲得できました」(ヤン氏)

テクノロジーを軸にした会社ではあるが、アプリに搭載するコンテンツにもこだわる。社内には「TESOL(英語の教授法、英語を教える資格)」を取得しているメンバーが複数人在籍。コンテンツ自体は米国で制作しており、現地で実際に使われている表現や語彙(ごい)を学べる内容を提供する。