具体的な領域として特に以下の3つの領域にアプローチするバーティカルSaaSには今後大きな可能性があり、注目しているという。
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労働人口の減少が早い産業(農業・林業、建設業、製造業)
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急速に進展する高齢化社会を支えるインフラ(終活、相続、介護)
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大量人材供給によって成立していた産業(物流、小売、サービス業、教育)
これらの業界は、既に人手不足が顕在化していて、1人当たり生産性を高めることに迫られている。医療、飲食などの領域に比べるとSaaSを展開するプレーヤーも少ない。
「例えば農業生産管理SaaSや介護施設向け経営管理SaaS、終活・葬儀プロセス支援SaaSなどは、日本が最も先行するペインなので、もっとプレイヤーが出てきて欲しい」と岩澤氏は話す。
テクノロジーという切り口では、大規模言語モデルを軸に「AI×SaaS」が注目の対象となりそうだ。連日のようにChatGPTやGPT-4、生成系AIのトピックが話題を呼んでいるが、こうした技術の活用次第で「業界地図が大きく変わる」可能性がある。
「(AIの広がりによって)単に業務効率化をしますというだけだとインパクトが弱いと思われてしまう。生産性向上が至上命題の日本で、そのSaaSによって従来は10人でやっていたことが1人でできるようになる、さらに売上の拡大にもつながるという価値を出すことをSaaSは求められていると考えています」(岩澤氏)