また視聴しているユーザーが自分でもやりたくなったら、その場でプレーヤーとして参加することもできる。
「遊ぶ、実況する、見るがすごく高速に行き来できる。これがクラウドゲームのプロダクト面におけるイノベーションだと思っていて、そんな壮大なビジョンを掲げつつ、ミニゲームを通じてコンセプトの検証を続けているような段階です」(荒木氏)
もともとはエイプリルフール企画として「フラッピンアバター」というゲームをREALITY内で1日限定で公開したところ、中には1日で最大1000回ほどプレイするユーザーが出てくるなど評判が良かった。それを受けて正式にゲーム機能として搭載されるに至ったという。
単に場所だけを提供した状態で「あとは好きに楽しんでね」と言われても、あまりにやることがなければユーザーとしては続かない。他のユーザーと交流するコミュニティである一方で、誰かがいなくても時間を潰せたり、友人が参加してくるのを待てるような仕組みも必要だ。
REALITYにおけるゲームにはそのような役割もあるからこそ、あえて「面白くしすぎない」ように配慮している。
「より正確には『(ユーザーが)あまりに熱中するようではいけない』ということです。ゲームに集中しすぎてしまうと、しゃべることを忘れてしまい、本来の目的であるコミュニケーションが成り立たなくなってしまう。だからハイペースすぎないことだったり、だらだら喋りながら遊べるゲームを意識しながら作っているんです」(荒木氏)
ゲームでは緊張とストレス、そしてそこからの解放というサイクルをバランスよく回していくことが重要だが、これらを追求しすぎるとユーザーは満足して離脱してしまう。そのためREALITYのゲームに関しては、このアップダウンを作りすぎないようにしているそうだ。
配信者率は約4割、海外ユーザーは全体の85%に
REALITYではこのような機能開発を約3年にわたって着々と積み重ねてきた。
特にこの1年ほどは新型コロナウイルスの影響によるオンラインコミュニティサービスへの需要の高まりやグローバル展開の強化なども重なって、利用者の数が急激に増えている。
「コミュニティプラットフォームになっていく上で、配信する人と見る人という関係性から対等な関係性へと近づけられるように機能開発を続けてきた」という荒木氏の言葉にもあるように、視聴者数に対する配信者率は4割に近い。
そもそもREALITYの場合は自分の好きなアバターの姿で配信ができるため、顔を出すことに抵抗があるユーザーにとっても配信ハードルが低い。この性質も配信者率の高さには影響を与えていそうだ。