──デジタルホワイトボードやSlackの「ハドルミーティング」のようなリモートワークに適したツールもあります。それでもフィジカルのホワイトボードやオフィスにこだわるのですか。

ザオ氏:Notionもリモートワークに最適なツールの1つです。ナレッジを管理し全ての情報を集約することができる。ですが、ツールを“使う”のと“作る”のでは話は違います。

もちろん、ZoomやSlackのハドルミーティングのようなツールを使った方が良いケースもあります。一方で、プロダクトデザインにおける戦略を練る上では直接話した方が話を早く進めることができますし、信頼関係を構築する上でも重要です。

同僚とランチに行くなどして対面でディベートをすれば、関係は深まり、より熱のこもった議論ができる。同僚を1人の人間として見ることができ、正直に意見を言い合うことが可能です。Slackでは投稿内容についてとても慎重になる必要があります。誤解を生むような内容ではいけないからです。

──Notionの日本語化を行いました。

ザオ氏:ベータ版を10月13日にリリースしました。Notionが日本語化されるだけでなく、日本語のウェブサイトが公開され、カスタマーサポートも日本語での対応を開始します。

2020年に韓国語版も提供を開始しましたが、あくまでもテストです。韓国でのテストを除けば、初の他言語版という位置付けです。

韓国語版ではNotionを“翻訳”するだけでは駄目なのだと思い知らされました。文化や言語を深く理解する必要があります。日本はバスが定刻から1秒もずれずに発車する国です。そのためNotionの日本語版にもとても高いクオリティが求められています。サポート体制も完璧にする必要があります。

──Notionは京都で生まれたツールですが、日本のオフィスは東京です。

西氏:今は東京にオフィスを構えていますが、今後についてはまだ未定です。日本法人の設立時期や拠点をどこに置くかなどは、今後決めていきます。

日本でもNotionユーザーのコミュニティが拡大しており、今では東京だけでなく、福岡や京都、仙台、札幌などにコミュニティがあります。コミュニティ内での情報共有だけでなく、SNSやYouTubeなどでの情報発信も多く、感激しています。

──法人利用はどのように進んでいますか。以前、サントリー食品インターナショナルにNotionの活用事例について取材しましたが、大企業での導入も進んでいるのでしょうか。