金利上昇、イスラエルとイスラム組織ハマスの衝突、中国の経済不安…。株式相場を巡る不安要素を挙げれば、枚挙にいとまがない。だが、著名投資家ケン・フィッシャー氏は、2024年も米国株の上昇が期待できると断言する。特集『総予測2024』の本稿では、「若い強気相場が上昇を続ける燃料は十分」と考える同氏の相場展望を、特別寄稿で明らかにする。
24年の米国株は
二桁リターンも
債券利回り急騰、中東での戦争、商業不動産を巡る懸念、中国経済の減速――。投資家は最近も、2022年後半から生じてきた、米国の強気相場を沈めかねない懸念の要素だけを見ているように映る。
だが、実際はむしろ、今の若い強気相場を終わらせるのは難しい――それは、ほとんどの人が考えているより、困難なことなのだ。
私の24年の米国株の予想は、S&P500種株価指数が2桁リターンを記録し、年序盤は大型グロース(成長)株がけん引する一方、終盤はバリュー(割安)株シフトの可能性がある――というものだ。
そして、悲観的な投資家心理と政治の追い風がその下地を整えていくだろう。以降、順を追ってその理由を説明していこう。
次ページでは、著名米投資家が、24年に行われる米大統領選を巡る政治動乱を米株式相場の“追い風”と分析する理由など、米国株の強気相場を確信する理由を一挙に公開する。