総予測2024#54Photo by Yoshihisa Wada

3メガバンクの中で、米国市場重視を最も前面に打ち出しているみずほ銀行。2024年、米国は景気後退が懸念されているが、どう挑んでいくのか。特集『総予測2024』の本稿で、加藤勝彦頭取に意気込みを聞いた。(ダイヤモンド編集部副編集長 片田江康男)

ITやDX、GX…
増加傾向の資金需要に対応

――2024年の資金需要について、どう予測していますか。

 足元ではIT投資などを中心に、製造業で資金ニーズが出てきています。ただし、実績としては期待値より少し低い状況です。

 24年に伸びる分野は、サステナブル投資とDX(デジタルトランスフォーメーション)投資でしょう。特にサステナ投資では、50年のゼロエミッションに向けて関連する投資が広がっていくと予測しています。

――米国では、日本企業が電気自動車(EV)や電池関連など、積極的に設備投資を進めています。米国重視のみずほ銀行としては、好機ですね。

 日本企業は東南アジアや欧州など、海外に成長機会を求めて進出しています。中でも米国を重点市場と捉えている企業は非常に多い。米国ではGX(グリーントランスフォーメーション)を進めて規制に対応していく必要があって、設備投資もしなければなりません。

米国重視を鮮明にしているみずほフィナンシャルグループ。対象とする産業は、日系の自動車めーかーや電池関連産業だけではないようだ。具体的に、どの産業に注目しているのか。次ページで、詳しく話を聞いた。