外出の自粛によって、日々の食事の選択肢が減っていることを嘆いている人も多いはず。一方で飲食店も大幅な客足の低下と営業時間の短縮要請で苦境に立たされている。そこで注目を集めるのが飲食のテイクアウト、そしてデリバリーサービスだ。テイクアウトメニューの検索・注文サービス「PICKS」を提供するスタートアップ企業のDIRIGIOは、コロナ禍での大幅な需要増加で急成長。Instagramと連携した注文機能の提供も開始した。代表取締役CEOの本多祐樹氏に同社の試み、そして急速な時代の変化に対応できる飲食店の在り方を聞いた。(編集・ライター 野口直希)
待ち時間や支払い時間ゼロ
手軽なテイクアウトの予約アプリ
DIRIGIOが提供する「PICKS」は近隣のテイクアウト可能な飲食店の検索、注文ができるサービス。アプリやウェブサイトで利用したい地域から飲食店を選び、商品と受け取り希望時間を選択すれば注文完了。指定した時間に店頭を訪れるだけで、希望の品を受け取ることができる。決済はアプリに登録したクレジットカードで行うため、店頭での支払いも必要ない。事前注文なので、売り切れの心配もない。
飲食店には、注文が入るとアプリと電話(自動音声)で通知が届く。指定された受け取り時間までに料理を用意し、アプリの「調理完了」ボタンをタップすれば操作は完了だ。アプリでは、あらかじめ調理にかかる「最低調理時間」を設定できる。例えば「30分」に設定しておけば、注文者が受け取り時間として指定できるのは最短でも注文から30分後になる。現在は、注文者・飲食店のどちらにも手数料は一切かからない。
筆者も飲食店を経営しているので自分ごととして実感しているが、飲食店にとって事前注文のメリットは非常に大きい。曜日や天候によって売れ行きが大幅に変動するテイクアウトは、欠品も廃棄も出さない「適切な量」を準備しておくのが非常に難しいからだ。特に店内での食事を控える人が増えて飲食店利用者のニーズが日々変化する中で、急遽テイクアウトを始めた店舗にとってはなおさらだろう。
5月12日からは、Instagramとの連携も始まった。Instagramのビジネスアカウントを開設しているPICKS加盟店は、プロフィールに注文ボタンを追加したり、「料理を注文」スタンプをInstagramストーリーズに投稿したりできるようになる。Instagramのユーザーは、アプリの遷移なしで手軽に注文できるほか、応援したい店舗の情報をスタンプとともに「ストーリー」で共有できる。