コロナ時代に支持される飲食店の特徴
「コンセプトをはっきりと打ち出す」

 では、こうした新たなニーズに対応できるのはどのような飲食店なのか。本多氏によれば、対面での接客機会が減るオンラインで注文を獲得するには、オフラインとは違ったメニューの見せ方が必要になるという。

「綺麗な写真を使用するのはもちろんとして、メニュー名の工夫が大切です。例えば、『○○風カチョ・エ・ペペ ~××を添えて~』のような少しわかりづらい名前は、対面ではお客様が『これはどんなメニューですか?』と質問することでコミュニケーションのきっかけづくりになっていたかもしれませんが、オンラインでは違います。『4人家族向け!チーズと黒胡椒パスタ』という風にコンセプトを打ち出して、そのフードから何が得られるのかをはっきりすべきです」(本多氏)

 また、オンラインが主戦場だからこそSNSの活用もより重要になってくる。人気店はSNSとPICKSを組み合わせるのが上手だと指摘する。「SNSで調理の過程や店内の状況をこまめに投稿することで、お店を身近に感じてもらいつつ、タッチポイントを増やすことができます」と本多氏。

 今後は引き続き規模を拡大しつつ、収益化を目指していく。今年度中に加盟店舗1万店を突破することを短期的な目標とし、ある程度地盤を確保した段階で飲食店に決済ごとの手数料を徴収するという。

 サービス面ではポイント付与機能や、体調や好みを考慮したレコメンド機能などを計画中だ。あくまで短期的な売上増加ではなく、継続的に注文してもらえる施策を展開していく。

「日本のテイクアウト文化は、まだまだ発展途上。現在は店頭で在庫を確認し、なければ他の店舗に行くという利用形態が一般的ですが、これからはあらゆる業界でまずネットで確認するのが一般的になるはず。そんな時代に顧客体験を高めるには、どうすればいいか。引き続き試行錯誤しつつ、幅広いお店に寄り添える存在になりたいです」(本多氏)